1日1切で突然死のリスクが減る食べ物って?100年長生きする予防医学のススメ
スーパーなどで売られている鮭や白身魚などの切り身1切れが80g前後ですから、1日1切れで60gはクリアできます。刺身であれば3、4切れでしょうか。それだけで死亡リスクを下げられる可能性があるのです。
中高年以降は、肉よりも魚ファーストに切り替えよう!
循環器内科医の池谷敏郎さんも『「100年心臓」のつくり方』で、「『心臓の健康』といったらコレ!」と、EPAとDHAを挙げます。EPA、DHAは、アジ、イワシ、サバといった青魚に多く含まれる油です。
EPAは末梢血管をしなやかに開いて、血小板の活性を抑え、血流をよくしてくれる働きがあり、DHAは脳に働きかけて、うつ病や認知症の予防に役立つ可能性がある、と池谷さんは説明します。 さらに、EPA、DHAには中性脂肪やLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす働きもある、とも。実際、中性脂肪値の高い人に使われる「ロトリガ」という薬の主成分は、EPAとDHAなのです。 魚がいかに大事か、わかっていただけたでしょうか。 ただ、肉を食べたほうがいいシチュエーションとしては、貧血があるときです。肉は、鉄分の摂取源としては非常に優秀。動物性食品を一切食べないビーガンの人は、爪が割れたり、白髪になって髪がパサパサになったりしやすく、その原因の一つに鉄分不足があります。 ですから、貧血の人は肉も意識的に食べてほしいのですが、一般的には、中高年以降の健康を守ってくれるのは断然、肉よりも魚。ぜひ魚ファーストの食生活に切り替えましょう。
脂質異常も高血圧も高血糖も“無言”。 命にかかわる病がズドンと来る前に、健康的な食習慣を!
生活習慣病の予防と治療に詳しい医師の岡部正さんは、『ズボラでも中性脂肪とコレステロールがみるみる下がる47の方法』の「はじめに」で、脂質異常症は自覚症状がないからと油断していると大変なことになる「警告としての生活習慣病」だ、と訴えています。それは高血圧や糖尿病も同じで、自覚症状がないからといってほったらかしていると、じわじわ動脈硬化を進め、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中などを“ズドン”と引き起こすのです。 “ズドン”の前に中間警告をハッキリしてくれるのは、尿酸値ぐらいです。尿酸値が高くなると痛風という形で症状が出ます。そして、足で痛風が起きていたら、腎臓や心臓にも痛風のもと(尿酸塩結晶)ができているかもしれませんし、動脈硬化が進んでいる可能性も高いのです。 痛風以外の生活習慣病はほとんど症状がありませんが、健康診断で問題を指摘された人は、「“ズドン”に一歩近づいてしまった」と自覚して、健康習慣を一つでも多く取り入れていただきたいと思います。 本文は『予防医学で健康不安は消せる! 100年長生き』(ワニブックス)より一部抜粋・編集しています。 画像提供:Adobe Stock