写りがエモいとZ世代に人気“オールドコンデジ”、中古カメラを買う際に覚えておきたいこと
3番目は……カメラが壊れてないか。とりあえずバッテリーが復活して、カメラに入れて電源を入れて動作確認だ。 メカ部が壊れていてレンズが出てこないとか、エラーが出るってケースもあれば、特定のボタンの接触が悪くて操作しづらいケースもあった。 イメージセンサーかその周辺の電子回路が壊れているのか、まともな画像を撮れないことも。
盲点なのが、日時の保持。カメラ内の時計用バッテリーが死んでいると、バッテリーを入れ替えるたびに日時がリセットされるはめになる。 これらのトラブルは、すべてわたしの手元にある古いコンパクトデジカメを復活させようと試したなかで発生したもの。さすがに10年20年経ったデジタル製品であるから、目に見えない不都合が発生したりするのである。 中古オールドコンデジを入手しよう、と考えている人は、このあたりが要チェックといえる。 あ、液晶モニターが見づらいのは……さすがに劣化もしてるけど、基本的に当時の仕様です。ついでにいえば、AFが遅かったりときどき背景にピントが合っちゃうのも当時の仕様です。よしなに。 ■ポケットに入る小さいカメラが欲しい 我々「デジカメ老人会」世代から見ても、Z世代の目の付けどころはすごくいいと思う。 日常的に「スマホ」と「ミラーレス一眼」を使っていると、「その両者の間を埋めるポケットに入るような手軽なカメラが欲しい」ことが増えてるのだ。 だがしかし、気軽に扱えて手ごろな価格のズームコンデジは、現行モデルにほぼないのである。そのジャンルをスマホが奪ったからなんだけれども、いざ失われてから、それを知らない世代に再発見されたのが、実に現代的だと感じるのである。 オールドコンデジなら「安く」入手できるのも見逃せない。 日常の記録として、どんなシーンでもそこそこのクオリティで残してくれるならスマホカメラに勝るものはないけど、味のある「エモい」写真を撮ってくれて安くて小さいカメラとなれば、復活させて損はなかろう。特に、内蔵フラッシュを使った撮影は……スマホにはない写りを楽しめて新鮮。
次回は、実際に大量の復活を試みたカメラのなかから、今でも使えるカメラを具体的にピックアップして試してみたい。超高速AFとか超高感度とか高速連写とか、そういうのはまったくもって無縁だけれども、写りという点では実に魅力的なのだ。
荻窪圭