写りがエモいとZ世代に人気“オールドコンデジ”、中古カメラを買う際に覚えておきたいこと
2番目は記録メディア。 2010年代以降のデジカメの記録メディアは「SDメモリーカード」(以下、SDカード)が事実上のスタンダード。たまにmicroSDカード採用のカメラもあるが、どちらも入手は容易で、SDカードがあればなんとかなる。 でも、SDカードが完全にスタンダードになったのは2010年ごろのことで、それまでに紆余曲折があったのである。 何しろ、初のSDカード採用機が2000年のこと。SDカードは“新しいメディア”だったのだ。その前は複数のメディアが乱立していた。 ひとつはスマートメディア。これは、富士フイルムとオリンパスを中心に数社あった。 ふたつめは、ソニーが提唱したメモリースティック。ソニーのCyber-shotが採用していた。 みっつめは、CFカード(コンパクトフラッシュ)。他の2つに比べると分厚く大きくてコスト面でも不利だったが、多くのデジタルカメラが採用。ボディサイズに余裕があるハイエンドのデジタル一眼レフでは、今でも採用されている。 フロッピーディスクや8cm CD-R、MDに記録するカメラもあったが、それらは採用例がきわめて少ないので省略。 そのような混沌とした状況に現れたのがSDカードなのだ。
その後、各メーカーが続々とSDカードに移行した。
ソニーは、自社のメモリースティックを採用し続け、より小型のメモリースティック Duoが主流に。 富士フイルムとオリンパスはどうしたかというと、なんとスマートメディアの次にxDピクチャーカードという独自規格の記録メディアを作ってしまったのだ。でも、SDカードがデファクトスタンダードになる流れはいかんともしがたく、富士フイルムもオリンパスも最終的にxDピクチャーカードとSDカードの兼用スロットを経てSDカードに落ち着いた。 ソニーも、メモリースティック DuoとSDカードの兼用スロットを搭載するに至り、やっとコンパクトデジカメのメディアはSDカードに統一されたのである。それが2010年ごろだ。 メモリースティック系やxDピクチャーカード、さらにはスマートメディアでも対応するカードリーダーは現在でも入手可能なので使えないことはないけれども、より古いカメラを引っ張り出すときは注意したい。