「どうしてわかってくれないの?」パートナーとの関係性に「苦しい」と思ったら、するべきこと
「なんでわかってくれないの?」「いつの間にか、夫に恨みを抱いてしまっている……」、そんな自分に気づいたらどうしたらよいのでしょう。 【写真8枚】今回お話を聞いた、岩田かおりさんと下向依梨さん。 累計5000人以上のママ世代のお悩みに耳を傾けてきた株式会社ママプロジェクトJapanの岩田かおりさんと、SEL(Social Emotional Learning/社会性と情動の学び)という教育アプローチでソーシャルスキルとエモーショナルスキルを育み、この度『世界標準のSEL教育のすすめ 「切りひらく力」を育む親子習慣 学力だけで幸せになれるのか?』(小学館)を上梓した株式会社roku youの下向依梨さんに話を聞きました。
「パートナーが私のことをわかってくれない!」と思ったら?
――岩田さんはたくさんのお母さんたちの悩みに耳を傾け、その解決に向けて講座などを行ってきましたが、パートナーシップでの課題を口にする方は多いのでしょうか。 岩田かおり(以下、岩田)「パートナーシップでのエラーが子育てに大きな影響を与えているケースはとても多いです。私も色々と乗り越えてきましたが、下向さんもお悩みはありますか?」 下向依梨(以下、下向)「ありますね……。私はSEL(Social Emotional Learning/社会性と情動の学び)というアプローチで、人と良好な関係性を築くソーシャルスキルと自分や他者の気持ちに目を向けていくエモーショナルスキルの重要性を伝えています。しかし、実践者であり、探究者でもあるなとも日々感じているんです。というのも、身近な人に対するコミュニケーションにおいては常に試行錯誤をしているから。たとえば、つい夫に対して“私のこと、わかっていないでしょう”という決めつけをして、勝手に悲しい気持ちになってしまうんです」 岩田「パートナーといえど、実際に相手のことはわかっていないものですよね」 下向「この私の思いが相手に伝わってしまい、“僕はわかろうと思っているのに!”と言われて、ますますお互いを傷つける喧嘩をしてしまうんです」 岩田「昨日、夫がツルムラサキをたっぷりのお湯でグツグツ茹でていたの。でも、私はビタミンが水に溶けやすいから、緑黄色野菜はできるだけ、電子レンジでチンするか炒めて使ってほしいと思っていて。それを20年間言い続けてきたんです(笑)。 私はたくさんの量を食べる人ではないから、少量でできるだけ栄養素が高い状態で摂取できるようにしたいんです。だから、茹でないでほしい。これは私にとっては切実な問題なんだけれど、夫にとっては重要度が高くない。つまり、“わかってくれない”というのは双方の重要度の違いなんですよね」 下向「岩田さんは“なんで、あの人はわかってくれないんだろう”と感情がこじれることはないんですか?」 岩田「そういう営みをするのが人生だと思っているところがあるかもしれないですね。“この人と一生こんなやりとりをしていくんだろうな”と思っている。自分の思う通りにやってほしいと願っても、重要度が違うから、相手に私と同じ意識を持ってもらうことはできないんです。逆にいうと、私も夫がこだわりを持つことに対して同じ重要度を抱くことは難しい。 だから、誰にとっても重要な命に関わるようなことであれば徹底しようと促しますが、あとは漫才の“てんどん”(※)をやっているイメージで、毎度繰り返しています(笑)」 ※同じボケを何度も繰り返して笑いをとること。