「どうしてわかってくれないの?」パートナーとの関係性に「苦しい」と思ったら、するべきこと
自分が変わると、相手が変わる
――自身のメンタルモデルに向き合い、自分が変わっていった後に、相手とのコミュニケーションをどう変えていくとよいのでしょう? 岩田「自分が変わると相手も変わるんですよ。こちらが緊張状態で固まっていると、相手もファイティングポーズの姿勢できます。しかし、こちらが踊っていたら、一緒に踊ってくれるかはわかりませんが(笑)、笑い出したりふざけたりしますよね。 電車の中で足を踏まれて、何も言われなかったらすごく頭に来ると思いますが、“わ! 本当にすいません!”と言われたら、大抵の場合、“いいですよ”という気持ちになります。相手をどうこうしようと思わずに、まずは自分が内省して、自分が変わることを実践することで関係性に変化があります」 下向「関係性は相互作用なのでどちらか一方が変わると、変容が起きていきます。相手に対して頭にくる気持ちもあると思いますが、関係性をよくしたいと考えているのならば、“まずは自分から”が必要なアプローチなんです。岩田さんとお話ししていて、私も自分を見つめる機会となりました。“まずは自分から”をみなさんと一緒に実践していこうと思っています」 身近だからこそ難しいパートナーとの関係性。「なかなか改善できない……」と感じたら、まずは自分から今回ご紹介したアプローチを試してみましょう。そして、関係性とは少しずつ変化が現れてくるものです。じっくりと変化を観察してみてください。
【まとめ】話し合いのその前にやっておくこと
・パートナーに対して恨みが残っていたら、時間差があってもいいので伝える ・仕事モードと家庭モードの切り替えをする ・モードチェンジには自分がご機嫌になって、時間とお金がかからない手軽なものを ・自分の「メンタルモデル」を掘り下げていくことで、”本当に求めていること”に辿り着く
岩田かおり 家庭教育コンサルタント/株式会社ママプロジェクトJapan代表。幼児教室勤務を経て、「子どもを勉強好きに育てたい!」の想いから、独自の教育法を開発。ガミガミ言わず勉強好きで知的な子どもを育てる作戦『かおりメソッド』を全国へ展開中。3人(1男2女)のママ。小学校、幼稚園、保育園での講演会多数。第5回ワーママオブザイヤー2018受賞。著書に『「天才ノート」を始めよう!』(ダイヤモンド社)がある。 下向依梨 株式会社roku you代表。大阪府生まれ。慶應義塾大学総合政策学部へ入学後、社会起業家について研究。在学中に、社会起業家育成のパターン・ランゲージを開発、出版。その後、米国・ペンシルベニア大学教育大学院で発達心理学において修士号を取得。帰国後は東京のオルタナティブスクールに勤務。2019年に株式会社roku youを沖縄県にて設立、代表取締役に就任。SEL(Social Emotional Learning /社会性と情動の学び)を基軸に、全国延べ100校以上の学校改革や総合的な探究の時間に関わる。『21世紀の教育 子どもの社会的能力とEQを伸ばす3つの焦点』(ダニエル・ゴールマン、ピーター・センゲ、 井上英之 (監修, 翻訳)/ダイヤモンド社)の解説を担当。一児の母。 https://www.roku-you.co/
『世界標準のSEL教育のすすめ 「切りひらく力」を育む親子習慣 学力だけで幸せになれるのか?』(著・下向依梨、税込1,760円、小学館) 次世代の教育として世界的に注目されている「Social Emotional Learning(SEL)」は、社会性と感情のスキルを伸ばす教育アプローチです。本書では、家庭でのSEL実践方法を具体的に紹介。SELを基軸に全国100校以上の学校改革に携わってきた著者が、家庭で簡単にできる方法をお伝えします。 取材・文/佐藤智、撮影/五十嵐美弥(小学館)
kufura編集部