【23人戦力外】「なんでオレ?」「今までで一番悔しい」と語る選手も…!ソフトバンクの「大量採用・大量解雇システム」に「送り出す側」の高校野球指導者が怒り
非情な「戦力外通告」
育成は3年間の契約が基本だが、それを待たずにクビになるケースも少なくない。 「せめて4年間は面倒を見てもらいたいというのが指導者としての願いです。高卒の育成として4年間過ごしたあと、大卒の新入団選手との比較で削られるならば納得もいくじゃないですか。支配下ならともかく、高卒の選手が育成で入ることに私は消極的です。よほどの事情がない限り、大学や社会人を経由してプロに進むのが理想の道のりだと思います」(同前) NPBに居場所を失ったプロ野球選手がラストチャンスに挑む12球団合同トライアウトは11月14日に行われ、今年はソフトバンクから4選手が参加した。そのうちのひとりが、投打の2刀流で参加した小林珠維。投げては147km、打っては1安打を記録した。 「支配下時代は野手で、2年前に育成になってからはほぼ投手一本で過ごしてきました。今日は三振も奪えたし、ヒットも打つことができた。悔いはありません」 ZOZOマリンスタジアムで行われたトライアウトの終了後、筆者は海浜幕張駅からリムジンバスに乗り、筑後で行われているソフトバンクの秋季キャンプを取材するため、羽田空港へ向かった。 補助席まで埋まった満員のバスの中に、先ほど取材した小林の姿があった。ソフトバンクに在籍していたら登板した日には公共のバスに乗ることなどまずなかっただろう男が、バットを抱えて小さくなって座っていた。その姿に、非情なる戦力外通告の現実を見た気がした。 「週刊現代」2024年11月30日号より ……・・ 【さらに読む】「札幌ドーム」最終年より観客動員数が爆増中…!日ハム「エスコンフィールド」試合がなくても稼げる「驚きの理由」
週刊現代、柳川 悠二