【23人戦力外】「なんでオレ?」「今までで一番悔しい」と語る選手も…!ソフトバンクの「大量採用・大量解雇システム」に「送り出す側」の高校野球指導者が怒り
大量採用された選手のなかから、常勝軍団の戦力になれるのはほんの一握り。「まだやれるのに……」そんな思いを抱えながら戦力外を通告される若者たちは少なくない。12球団イチ過酷な現場を追う。 【一覧】プロ野球「最も愛された監督ランキング30」最下位は、まさかの… 前編記事『「23人戦力外」の衝撃…!「引退という選択肢はなかった」「育成でもやることは同じ」ソフトバンクから非情通告を受けた選手たちに聞いた「本音」』より続く。
最優秀防御率でもクビ
戦力外となった選手の多くは、プロ野球選手になる夢を叶えてくれた球団に対し、感謝の言葉を口にする。ところが、中には怒りの言葉を吐き出し、悔し涙を流した者もいる。左腕の三浦瑞樹と、内外野を守れるスイッチヒッターの仲田慶介だ。 両者は今季途中に育成から支配下になったばかり。三浦はウエスタン・リーグで最優秀防御率に輝き、仲田もまた2軍で4割の打率を残した。 まさかの戦力外通告に三浦は「なんでオレ?納得できていない」と口にし、仲田も涙ながらに「ちょっと驚いている。今までで正直、一番悔しい」と語っている。 三浦は戦力外通告後、ソフトバンクのファーム施設がある福岡・筑後で自主トレを行っていた。他の選手が練習している脇で黙々と体幹トレーニングに励み、着ているウエアも球団が用意したものではなく、自前だった。 三浦は中日が、仲田は埼玉西武が獲得に動いているとされる。仲田を指導した福岡大大濠高の八木啓伸監督はこう話す。 「どこの球団でも、お声をかけていただいたのはありがたいことです。もちろん、育成契約だと道のりは険しい。だからこそ、進路を選択する際やプロ志望届を提出する際に、(育成でも入団するのか)生徒としっかり話し合うようにしています」
送り出す側の「本音」
23人を戦力外にしたソフトバンクには、来季から新たに19人が加入する。大量に選手を獲得し、最先端の練習施設でふるいにかけ、戦力にならなければ容赦なくクビを切る。それがソフトバンクの育成システムであり、常勝軍団の「裏側」でもあるのだ。 しかし、高校生が育成という半プロ半アマのような契約でプロの世界に飛び込むことははたして幸福なのだろうか。 もちろん、プロを夢見て野球に励んできた高校生は、たとえ育成であってもプロ野球選手になれるなら喜んで入団を希望するだろう。一方、指導者からすれば期待を膨らませて飛び込んだ教え子が、たった数年で行き場を失うことになるのは、とても看過できるものではない。ある高校の監督は怒りに震えながら、こんな本音を漏らした。 「ソフトバンクは確かに、面倒見はいい。戦力外通告した選手に対し、球団の仕事や関連会社の仕事を斡旋してくれますから。ただ、育成なのに育成する気がないというか、使える人材しか残そうとしないのは、教え子を送り出す立場としては納得できません」