なぜ久保建英と三笘薫の初共演は不発に終わったのか…Uー24代表がアルゼンチンに0-1惜敗の理由
当然ながらアルゼンチンもすぐに見抜き、三笘と旗手の対面となる右サイドの守備を厚くしてきた。攻撃に生じたアンバランスさを解消できなかったと、右サイドハーフで先発した三好康児(アントワープ)は「自分にパスを出してほしいシーンもありました」と振り返りながら課題をあげた。 「カオル(三笘)の特長はチームの強みにもなっているし、そこを使っていく意識はいいと思う。カオルとレオ(旗手)は川崎でも狭いエリアを崩しているし、自信をもっていたはずですけど、これだけ帰陣が早い南米レベルの相手だと難しいと試合のなかで全員が感じないといけない。逆に1対1なら確実に勝てるわけですから、チーム全体で幅を使っていこうと早めに共有できればよかった」 幅を使うとは、要はアルゼンチンの守備網を左右に広げさせ、三笘がドリブルを仕掛けるスペースを生じさせること。三好に思いをシンクロさせるように、久保も「幅」という言葉を口にした。 「負けている時間帯のプレーが勝っているチームのようだったというか、あまり連動性がなく、同じエリアでボールをつないでしまうシーンが何回かあった。もっと動きを増やして、もっと幅も作って、速いテンポでどんどんパスを回すのが日本のアドバンテージ。相手を気持ちよく守らせるのではなく、もっと相手を困らせるような攻撃をしたいし、できると思っています」 年齢こそ4つ離れ、小学生年代となる川崎のジュニアで一緒にプレーしたことはなかったが、強豪アルゼンチンを招く今回の連戦でともに招集されて以来、三笘は共演を心待ちにしてきた。 「久保選手が小学生のときに一度、ジュニアユースとジュニアでプレーしたことがあります。すごく小さくて上手いな、という記憶がちょっとあります。一緒にトレーニングをしたことはあるので、そういったところでコミュニケーションはすごく取りやすいですし、前線の選手同士なので、上手く連携していけばチームの力になれると思っています」 久保も2019年夏からプレーするスペインの地でJリーグの動きをチェックしながら、昨シーズンの川崎で13ゴール12アシストをマークし、川崎のJ1リーグと天皇杯の二冠獲得に貢献するとともに、ルーキーながらベストイレブンに選出された三笘の存在を気にかけていた。 「Jリーグでもちょっと(頭ひとつ)抜けているというか、自分がこんなことを言える立場ではないですけど、見ていてすごく楽しい選手という印象があるので、早く一緒にプレーしてみたい、というのが率直な気持ちです」