東京五輪U-24代表“キーマン”三笘薫は久保建英と一体どんなハーモニーを前線で奏でるつもりなのか?
川崎フロンターレへの加入が内定していた大学4年生から、J1リーグを席巻するサイドアタッカーへ。東京五輪に臨む年代別の日本代表から離れている間に、自らの立場と周囲から注がれる視線が劇的に変わっても、U-24日本代表のMF三笘薫(23)はしっかりと自分の足元を見つめていた。 「オリンピック代表チームのなかでは、自分はまだまだ下だと思っているので」 南米大陸1位として東京五輪に出場する、U-24アルゼンチン代表との国際親善試合(26日、味の素スタジアム)へ向けた合宿2日目の23日にオンライン取材に応じた三笘は、2019年12月のジャマイカ代表との国際親善試合以来となる招集を謙虚に受け止め、さらにこんな言葉を紡いだ。 「優勝を含めてフロンターレで残した結果が評価されたと思っているし、素晴らしいチームメイトがいてのことだったので。個人としてどれだけのスキルをもっていて、それらをどれだけチームに還元できるかという部分では自分自身でもわからないところがある。その意味でもスタートというか、今回の試合が今後につながり、いろいろな人からの視線も変えていくチャンスになると思っています」 筑波大学から加入した昨シーズンの川崎では、最終的に13ゴール12アシストをマーク。2009シーズンにFW渡邉千真(当時横浜F・マリノス、現横浜FC)、2014シーズンにはFW武藤嘉紀(当時FC東京、現エイバル)が記録したJ1リーグの新人歴代最多ゴール記録に並んだ。 シーズン後半戦では左ウイングとして対戦相手の脅威となり、圧倒的な強さで優勝を果たした川崎の8人ものチームメイトとともに、堂々のベストイレブンにも選出された。ルーキーが鮮烈な軌跡を刻むに至ったターニングポイントを探していけば、プロ初ゴールが三笘の脳裏に浮かび上がる。 「ゴール以外のところではなかなか上手くできなかったんですけど、初ゴールが評価されて次の試合につながっていったなかで、結果で評価されるんだ、と実感したので。1試合でターニングポイントとはならないですけど、徐々に自分のプレーを出せるようになったという感じです」 ホームの等々力陸上競技場に湘南ベルマーレを迎えた、昨年7月26日の明治安田生命J1リーグ第7節。1-1で迎えた後半33分に、相手がトラップミスしたボールを拾った三笘がそのまま左サイドをドリブルで突破し、ペナルティーエリア内で切り返してから右足で強烈なプロ初ゴールを突き刺した。