肉のハナマサもロピアもオーケーも...強豪スーパーが狙う『大阪』 人口・店舗数を分析すると見える理由 そしてスーパー戦国時代を生き残る「3つの戦略」とは
狙う理由は「東京の飽和」と「コンビニなどとの競争激化」
では、なぜ今、関西が激戦区になっているのか。理由はいくつかあります。 まず東京がスーパーの飽和状態にあるというデータがあります。1km当たりの商圏人口は、東京は9867人と多いのですが、大阪は4604人で、千葉の1217人よりは多くなっています。一方で、人口10万人あたりのスーパーの店舗数は、東京は21.5店舗と飽和状態になっていますが、大阪は17.3店舗で、千葉の16.3店舗と同じような数で、人口の割にはまだ出店の余地があるとみられています。 もう1つの理由はコンビニ・ドラッグストアとの競争激化です。経産省の2023年上期のデータによりますと、業態別の商業販売額の小売業では、スーパーは7兆5240億円と1位で、コンビニが6兆1286億円、ドラッグストアが3兆9886億円となっています。
ただこの金額の近年の伸び率を見てみると、スーパーが+2.8%。これは現在の物価上昇を考えると、ほぼ横ばいだということです。コンビニは+5.1%で、少し伸びているくらい。そして+7.7%と伸び率が高いのがドラッグストアです。
そんな中で専門家によりますと、実は大阪は他の地域と比べると『安いけど質はもう少し上がる余地があるのではないか』と、特に東京の激戦を制して勝ち残ったスーパーからは、思われているようだといいます。
『総菜』を制する者はスーパーを制す
次に見ていくのは、どういった強みがあれば、このスーパー戦国時代を制することができるのかという点です。客がスーパーを選ぶ理由には、価格や立地など様々ありますが、今、特に大事なのは『総菜』なのだそうです。 日本惣菜協会によりますと、総菜の売り上げは年々増加して、2022年は10兆4652億円となっていて、20年で2倍となっているということです。その理由には単身者・高齢者の増加があります。スーパーは、調理をするための材料を買いに行くのではなく、食事を買いに行く場所となっているのです。 そういえば、スーパーに入ってすぐの場所は、従来は野菜を置く店が多かったイメージですが、最近は総菜を置いている店が目立つようになっています。