「幸せを届けたい」経営者兼Fリーガー・北野聖夜が、スコーン専門店「iro」とフットサルで広げる優しい輪|フットサル
京浜急行戸部駅から、歩いて約7分。各駅電車しか止まらない静かな住宅街に、スコーン専門店『iro(イロ)』がオープンした。 無添加のオーガニック素材にこだわり、スコーン特有の「固さ」や「ぼそぼそ感」ではなく、柔らかくしっとりとした食感が多くの反響を呼び、店舗公式SNSのフォロワーはすでに1万人到達目前。横浜市内を中心でのポップアップ販売も大きく売り上げを伸ばし、オープンから1年足らずで2店舗目、3店舗目の出店の目処が立つほど、圧倒的なスピード感で事業を展開している。 オーナーを務めるのは、現在Y.S.C.C.横浜で現役フットサル選手としてプレーする北野聖夜。名古屋オーシャンズサテライト、U-18、Fリーグ選抜で培った経験を生かし、中堅選手としてチームを支えつつ、ピッチ外でもその「敏腕っぷり」を発揮している。 「みんなの喜んでいる顔や言葉をもらえることが、僕の喜び」 そんな北野が、体にも心にも優しいスコーンとフットサルの両軸で描く未来とは。
商品化まで2週間、出店までは3カ月
──もともとお父さんも会社を経営されているとのことですが、小さい頃からいつかは起業したいとは思っていたんでしょうか? 「自分もいつかは」というよりかは、当たり前のようにやるだろうという感覚でした。ひとりっ子ということもあってか、何かに縛られた場所で働くよりも起業する方が向いているだろうなとも思っていました。 実家では不動産、建設関係の会社を経営していて、自宅が事務所なのでずっと父の働きぶりを近くで見てきましたけど、時代も今とは違うこともあってすごく厳しく従業員の方に接していたので、人との関わり方は反面教師にしている部分は多いかもしれないです(笑)。 ──そこから、「スコーン専門店」に辿りついたきっかけは? 昔から、せっかく口にするものならできるだけ体に優しい食べ物にしようと心がけてはいたんですが、自分が結婚してから、奥さんが補食としてオーガニックのお菓子を作って持たせてくれるようになって、そのなかで一番美味しかったのがスコーンだったんですよ。それがちょうど1年前のことですね。ピンときて「これちょっと商品化してみようよ」と、はじめたことがきっかけでした。 ──ということは、レシピの考案もすべて奥様が? そうです。料理はずっと得意だったらしく、前は小さいパン屋さんで働いていて、ベーグルサンドを考案して売上を立て直したり、けっこうやり手といいますか。性格もお互い似ていて、やりたくないことはやらない、でも一度ハマるととことんやるというタイプなので、「作ること」に専念してもらっています。 ──初めて食べた時に、しっとりと柔らかい食感に驚きました。このアイデアはどこから生まれたんでしょうか? はじめはとにかく添加物を入れない、できるだけオーガニックな材料で作ることを一番に考えて、形ももう少し大きく、全粒粉を使うレシピで柔らかさにはそこまでこだわっていませんでした。 ただ、以前働いていた会社のマーケティング部で働いているときに、物を売る時のポイントとして「他社との違い」を強調することを意識していたので、うちだけの強みを考えるために、2週間箱詰め状態で試行錯誤しました。 奥さんのスコーンを食べてから、次の週には全国の有名なスコーンを全部取り寄せて、都内でも美味しいと言われている店舗を巡って、食べて、改良して、形も、ただの丸ではなく特別感が感じられるようなものにして、「これはどこにも負けない」と納得してできたものが今の「iro」のスコーンです。 ──スコーンを食べて起業を決めたのは1年前。店舗を出すまでは……? 3カ月くらいですかね(笑)。 ──最初に別の事業で起業しようと思っていたとは思えないくらい、ものすごいスピード感ですね。 本当は、あくまで奥さんとの“副業”としてできる範囲に留めて、実家の会社を継ぐか、自分の知識を生かしたコンサルティングの事業を拡大させようと思ってました。でも、いざ通販を始めてみたら、予想をはるかに上回る勢いで売り上げが伸びて、あっという間に生産が追いつかなくなってしまって。 自分たち二人だけじゃ手が回らないし、レンタルキッチンも少し離れたところにあったので、「もう、自分たち専用のキッチンを家の近くに借りよう」と。キッチンだけでもよかったんですが、たまたま賃料もちょうどいい物件が見つかったし、いつか自分の店を持ちたいと奥さんも話していたので内装のデザインも好きにしていいよと任せて、店舗を出すことを決めました。 ためらいはなかったし、決める時は直感で決めちゃう時も多いかもしれないです。
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