「幸せを届けたい」経営者兼Fリーガー・北野聖夜が、スコーン専門店「iro」とフットサルで広げる優しい輪|フットサル
フットサルが大好きだし、みんなと優勝したい
──お店がオープンしたのは去年の10月。その少し前に北野選手は大怪我をして、手術をしていますよね。 起業して2、3カ月くらいですかね。いい感じに通販でスコーンもうれていたし、ピッチでのコンディション好調な時でした。痛かったですけど起き上がったあとも普通に走れていたし、ボールも蹴れていたので、はじめは大したことないと思ってました。 だけど、病院に行って先生に「手術です」と言われた瞬間、まじか、と。 これまで大きな怪我もしたことがなくて入院も初めてで、本当にショックすぎたし、怖かった。「嫌です!」って言いました(笑)。 ──前十字靭帯断裂は、選手生命に関わる怪我ですもんね。 自分としては1カ月くらいで治ると思っていたのに「全治8カ月ってなんですかって感じでしたね。それを言われちゃうと、どうしても「引退」って言葉がよぎってしまうんですよ。 同じ試合で怪我をした大夢と一緒に病院にも行っていたので、もう、「どうする?」ってずっと話してました。 ──ちょうど起業もして、そちらに専念するという道も……。 もちろん、それも選択肢としてはあると思います。でも困ったことに、フットサルが大好きすぎるんですよ。 チームも今すごくいい状態で、菅原(健太)とか高橋(響)とか、“サッカー組”の選手たちがどんどんうまくなって、正直「歴代最強」と言える状態になっているんじゃないかな。 だからこそ、みんなと優勝したい。 加入するときに前のGMと話をして、いろんなデータに基づいたプランを見せてもらった上で「このクラブはリーグ優勝を目指せる」と感じたからこそ横浜に加入しすることを決めたし、今順調に階段を登ってきているので、移籍も辞めるということも考えていないです。
本当の“二足のわらじ”はこれから
──手術日からはちょうど8カ月が過ぎて新シーズンが始まりましたが、状態はどうですか? 正直、この足で前みたいに活躍できるイメージは沸いていないし、復帰という大きな目標だけを持ってしまうとメンタル的にもしんどくなってしまう。なので今はもちろん戻ることを目指しながら、「足を真っ直ぐにして立つ」とか「練習メニューを痛みなく全部こなす」とか、小さな目標を設定しながらコツコツとやってます。 ──今シーズンからは、新たに稲葉(監督が就任したことも大きなトピックですが印象は? クラブOBでもあるしFリーグでもずっと活躍してきた選手だし、“フットサルのカリスマ”じゃないですか。だからすぐに戦術とか戦い方の話をするのかなと思ったんですが、まずはコミュニケーションとか、人間的なチームの構築からはじめているところは、今までとはちょっと違う監督だなと思っています。 これまで歴任した前田(佳宏)さんは“情熱”、鳥丸(太作)さんは“戦術”、稲葉さんは“カリスマ”と違う要素が積み重なって、また一つ成長できるんじゃないかなと思っています。みんなモチベーションも高いし、ワクワクしています。 ──仕事との両立も、これからどんどん忙しくなりそうですね。 これまでは両方やっていると言ってもリハビリ中だったので、本当の“二足のわらじ”はこれからですね。頑張ります。 ──すでにiroにハマっている私としても、いろんな街でお店が見られることが楽しみです! そういう言葉をもらえることが、一番やっていてよかったという気持ちになります。「選手をやりながら経営者もやってすごいね」とよく言われるんですが、働きながらプレーしている選手と同じで何か特別なことをしているとは思ってもいないし、自分の好きなことで誰かを幸せにしたいという部分はどちらも変わりません。 家族も従業員も含めて、このiroのスコーンをとおして笑顔になってくれる人が一人でも増えてくれたらうれしいです。
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