大阪市・松井市長が定例会見10月15日(全文3)特別区になるハードルは高い
グレーター大阪構想について聞きたい
朝日放送テレビ:ABCテレビ、辻村です。今回の都構想、基本的には大阪市民を対象になっていますが、周辺の都市の住民の方が人ごとかといわれれば、そうではないという、グレーター大阪といった構想が以前から出てきているかと思うんですが、最近ちょっとその辺り、代表から質問、代表に対して質問をしていなかったので、あらためてちょっとお考えを聞かせていただけないでしょうか。 松井:まさにこの大阪都構想というのは、グレーター・ロンドンというのが1つの見本になってやってきています。都市部を力付けていく、都市部を広げていくというのは、都市の成長にとって僕は非常に重要だと思ってますから、やっぱり周辺。ただ、これ周辺は周辺で民意を示してもらわないと、これは都市部の中に入ってこれないんでね。これは各周辺エリアの首長と議会が、まずは特別区4区ができた後に、その議論をスタートしてほしいなとは思ってます。僕はもう八尾なんか八尾区で入ってもらったほうがいいなと思うしね。ただ今度、特別区が入れませんね。財政調整の仲間に入ってくるときに、同等のそういう財政力っていうものが見えてこないと。これは今度、特別区側がなかなか了解しないと、こういうふうに思います。 朝日放送テレビ:その辺りの民意の確認の仕方っていうのは、今回だったら住民投票とかをすることによって決まりますけれど、今後、周辺市を区にして。 松井:市長選挙で問うべきなんじゃないの?
同じように住民投票をするのか
朝日放送テレビ:市長選挙で問います。そのあと同じように住民投票をしていくような話になるのか、それとも市長が決められるような話になるのか。 松井:議会の議決でしょう。法律上は議会の議決となってます。でも議会の議決は、これはもう本当に至難の業というか、無理よね。この4特別区の1つのもう先進的なところは議員の数。これ、僕は十分あれでできると思って、あの議員定数で。でも今の現職の議員さんからすると、それはとんでもない議員削減だね。それは、もう議員の数減らすなんていうのは一言言うて、みんな簡単に言うけどね、もう血みどろの争いになるから。それはもう困難を極めると思いますね、僕は。 朝日放送テレビ:例えば八尾市を八尾区にするとなったら、八尾市議会と4つの特別区全ての了承がないとできない? 松井:できない。少し違うけどよく似た例で、一部事務組合は一緒です。大阪市と八尾市と守口、それから松原。今、ごみ焼却場、事務組合を組んでますけども、これは予算にも関わるので、それが事務組合を組むかどうかは、それぞれの議会の同意が要ります。 朝日放送テレビ:じゃあ仮に特別区になりました。で、次、八尾区になりました。じゃあその次、松原がなりたいとなったら、八尾プラス4つの特別区全ての議会で了承を得られないと無理ってどんどん、仮に周辺の都市を広げていくとなると、その分、議会の数も増えていくと思うんですけれども、全ての議会で可決されないと難しいという判断になりますか。 松井:そういうことになりますね。ただ、やっぱり議会を、議員を選ぶのも市長を選ぶのも住民なわけだから。特別区が自分の市と比べて、これ、あっち行きたいなということになれば、民意でそれが示されるんじゃないですか。 東京はもう23区以外は入れないんですよ、入りたくても。それは今言ったようにいろんな、要は課題が解決できないから。議会も通らないでしょうし。東京の特別区っていうのは、そもそも東京市の行政区が特別区になってるからね。成り立ちがまったく違います。だから都になったときに都知事の、大阪市と一緒なんよ、あれ。都知事が各23区長を指名して決めてた。職員ですよ、だから。都知事の部下。部下が区の区長をやってた。行政区長です、もともとは。行政区。それが東京、どんどん人口が増える中で自治体として認めてくれということで公選制が導入されて、今の議会もできたわけです。だから大阪の特別区と東京の特別区は成り立ちが違います。