朝食抜きで口臭が強くなる?気になる“ニオイ”を防ぐ毎日の食習慣、医師が解説
「私の口、もしかして臭うかも…」そんな悩みを抱えたことがある人、多いのでは?しっかり歯磨きもして歯医者さんにも行っているのに、なぜか臭う気がする。その原因は、もしかしたら食習慣にあるのかもしれません。今回は、口臭専門外来の櫻井直樹歯科医師による著書『口臭を気にする女、気にしない男』(英智舎)から、口臭を防ぐ食習慣について少しだけご紹介します。 ◇ ◇ ◇
実は、驚くほど多くの人が口臭で悩んでいる!
お口の臭い(=口臭)は非常に難しく、デリケートな問題です。よほど親しくない限り、他人はなかなか口臭を指摘してくれません。しかし、それとなく態度で示されたりすると......これはかなりショックです。 「自分との距離を空けられる」「顔をそむけられる」「話をしている時にイヤな顔をされる」......このようなきっかけから口臭が気になり始めたら、毎日がとてもつらいものになってしまうでしょう。 実は、驚くほど多くの日本人が、この口臭の悩みを抱えています。男女1万人を対象にした日本歯科医師会のアンケート(2016年)によれば、自分の口臭が気になった経験が「ある」と答えた人は、なんと全体の8割にもなります。 このように多くの人が悩んでいる口臭ですが、正しい対処方法が広く知られているとは言えません。スマホで「口臭 対策」などと検索すると、専門家から見ればかなり疑問を感じる記事がたくさんヒットします。実践したら、かえって口臭が悪化しそうなものまであるのは本当に困ったものです。
口臭対策で大事なのは予防。生活習慣の改善が重要!
そもそも口臭は症状であり、病気ではありません。原因は別にあります。そしてその原因は大きく分けると、病的要因と生理的要因の2つです。 病的要因であれば、口臭の原因となる病気が存在します。それを治療し、治癒することで、症状である口臭も消えるというわけです。 しかし、その病気が存在しない場合は生理的要因となるため、医師や歯科医師には打つ手がないのです。口臭外来を訪れる患者さんのほとんどは、虫歯や歯周病ではありません。なぜなら、かかりつけの歯科医院でさんざん歯のクリーニングをしてもらっても効果がなく、口臭が気になると訴えても「気のせいです」と言われ、行き場をなくした末に訪れているからです。 口臭を消すために必要なのは、口内殺菌のような治療ではなく、静菌(口腔内細菌叢=口の中に存在するさまざまな菌の集団のバランスを整えること)を軸とした、口臭が出ないようにする予防です。 口臭の原因を取り除く取り組みとは、例えば食事の内容を変えたり、早寝早起きを心がけたりすること。太陽の光を浴び、適度な運動をし、ストレスを溜めないなど、生活習慣の改善です。いわば医師ではなく、患者さんの仕事とも言えるでしょう。