NPB導入のコリジョンルールで試合時間が長くなる?
捕手のブロックと走者の体当たりを禁止する“コリジョン(衝突)ルール”が今季からNPBで導入される。本塁の攻防が大きく変わり、各チーム共にスライディング技術、タッチ技術、守備シフト、攻撃戦術など、早くも対応、対策に乗り出しているが、すでにオープン戦から微妙なプレーが続出。得点を巡るジャッジだけに、開幕すれば、いくつも揉めるパターンが出てきそうで、そこに新たな問題が生まれるのも避けられない状況になっている。そのひとつが、試合時間が長くなるかもしれない、という弊害だ。 コリジョンルールの導入と同時にNPBは混乱を避けるため、ビデオを使った判定をこれまでの本塁打判定以外にも幅を広げ、本塁のクロスプレーに採用することを決定した。ベンチの抗議を元に、「審判が必要と判断すれば」、ビデオ判定にもちこまれるが、この「審判が必要と判断すれば」という部分が曖昧でメジャーのチャレンジシステムのように抗議回数が制限されていないため、1試合で何度でも監督が抗議してビデオ判定を求めるというケースが考えられる。短縮を掲げたはずの試合時間が長くなる可能性が出てきたのだ。 NPBと同じく時間短縮を命題とするメジャーでは、2014年から「チャレンジルール」が導入されている。監督が、ビデオ判定を要求できるのは、6回までで1度、7回から試合終了までで2度。抗議が成功した場合は、1度とカウントされず最大2度まで抗議が可能になるが、回数は制限されている。メジャーのチャレンジ対象は、ストライク、ボールの判定以外についてすべてだが、MLB本部に設置されているビデオスタジオとの連携もスムーズで回数も制限されているため、それほどゲーム時間に影響を与えていない。 だが、日本の場合「審判が必要と判断すれば」という条件があるものの、回数制限はないため、何度でも抗議される可能性がある。某チームの関係者は、「自分たちに不利な判断が出れば、よほどのタイミングでない限り、必ず抗議することになるだろう。回数制限がないのだから、遠慮はしない」と語っていた。ルール上、OKなのだから当然と言えば当然だ。