ラネージュはどのようにティームー上の模倣品に対抗したかVol.1:消費者教育と新報告サイトの導入
グローバル躍進と模倣品対策
アモーレパシフィックは1994年にラネージュをローンチし、現在は雪花秀(ソルファス)、エストラ(Aestura)、ヘラ(Hera)など、25以上のブランドを所有している。2015年、同ブランドはリップバームのリップスリーピングマスクを発売、現在はさまざまなフレーバーやサイズがあり、米国ではセフォラ(Sephora)やD2Cで購入できる。 1月、ラネージュは初のグローバルブランドアンバサダーとしてZ世代の女優シドニー・スウィーニー氏を起用したと発表し、3月にはロサンゼルスのザ・グローブ(The Grove)のグラスハウス(Glass House)でポップアップイベントを開催して話題を呼んだ。 4月に行われたアモーレパシフィックの2024年第1四半期決算説明会では、米州市場での売上が前年同期比で40%増加したことが発表された。これは、ラネージュのリップケア市場のシェアが倍増したことと、ブランドの最新のスリーピングマスクのフランチャイズであるバウンシー&ファーム(Bouncy & Firm)のモイスチャライザーのおかげである。 その一方で同時期の韓国での売上は2%減少し、中華圏での売上は19%減だった。昨年のアモーレパシフィックの収益は9115億ウォン(約1038.7億円)に達している。 ブランドの成長とともに知的財産(IP)を保護し、消費者の安全を守るために、ラネージュのブジタット氏のチームは、業界の監視とデータ収集を含む「強固で総合的な知的財産保護戦略」を導入、ティームーを含むマーケットプレイスやさまざまな無許可のオンライン小売業者からの模倣品や侵害品の撤去、および再犯者に対する訴訟を実施している。 これには、外部のIP保護ベンダーとアモーレパシフィック社内の強力なチームの両社の協力を必要とする。 最新の偽物を理解することも重要であるため、ラネージュのチームは定期的に模倣品業者から商品を取り寄せ、消費者が受け取っているものを把握し、偽物の可能性のある商品に関する顧客のメールやDMに備えている。 だがこうした偽造業者を食い止めようという努力をよそに、消費者は偽物という概念に魅了されている。TikTokでは本記事執筆時点で「ラネージュリップマスク」の投稿が1億900万件を超え、「フェイク・ラネージュリップマスク」の投稿は7200万件とそれに続く。