株価乱高下でも平常心を保つヒント。損切りとパニック売りの違い、プロスペクト理論、参照点依存性...
損切りと狼狽売りの違い
初心者は損切り(ロスカット)が苦手だとよくいわれます。損失が出てもそのまま保有し、株価が戻るのを待つ傾向があるからです。しかし、損失を確定してでも売るべきタイミングを見極めることが投資判断の鍵です。だからこそ、初心者は損切りをためらわないようにアドバイスされるのです。 ただ、損切りはパニック売り(狼狽売り)とは異なることを理解することも重要です。冷静に考え、売るべきと判断したら、損失を恐れて保有し続けるべきではありません。 ただしこれは、株価が急落した場合に即座に売却すべきということではありません。全体的な市場の動向を考慮しながら判断する必要があります。 損切りとパニック売りを区別することは容易ではありません。市場全体が下落トレンドの場合は、パニック売りを避けて待つほうがいいですが、個別銘柄が大幅に下落した場合は損切りするほうがいいことが多いからです。 市場の感情は楽観的と悲観的の間で変動するため、冷静さを保ちながらじっくり待つことが重要です。一方で、個別銘柄が急落した場合は回復が速くないことが多いため、戻りを期待するのは難しくなるのです。 まずは、損切りラインを決めておくようにすることが大切です。損切りラインに達したら必ず注文を出す!と事前に決めておけば、パニック売りを避けられる確率は上がるでしょう。
平常心を保つための瞑想
パニック売りを避けるためには、きちんと損切りルールを決めておくことが大切です。ただ、それよりも重要なのは「決めたルール」をきちんと守ることです。パニック売りをしないためには平常心が大切で、そのために瞑想を取り入れる投資家が増えているのです。 代表がレイ・ダリオ氏です。世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツを設立したダリオ氏は、1日2回、20分ずつ瞑想をしているそうです。ダリオ氏が行っているのはTM瞑想というもので、ストレスや不安、うつ病を軽減させるという研究結果も出ています。 ダリオ氏が瞑想を実践していることは、ウォール街でも広く知られています。マーケットで取引が行われている時間帯でも、仕事を中断して瞑想することもあるそうです。そうすることでストレスが軽減され、リフレッシュした状態が1日続くと述べています。 瞑想を実践する投資家が増えているのは、心をリラックスさせることで新しいアイデアが出て、創造性が生まれることを期待できるからです。それとともに、マーケットの動きに一喜一憂することなく、冷静に取引できるようにもなります。 瞑想は、グーグルやアップルといった大手企業も導入しており、日本でもヤフーやメルカリといった企業での導入例も増えています。ストレス軽減や集中力向上といった効果が認められているので、冷静な取引をするために取り入れてみてはいかがでしょうか。 瞑想はちょっとハードルが高ければ、目を閉じて深呼吸するだけでも、だいぶ心は落ち着きます。とにかく常に冷静な状態で、落ち着いて投資判断を下すことが大切です。 山下耕太郎 ※当記事は「かぶまど」の提供記事です