米メディアは敗戦も11奪三振の大谷翔平を「新たなレジェンドの記録に迫る」と称賛…45球連続直球無し異例スライダ―投球分析も
エンゼルスの大谷翔平(28)が28日(日本時間29日)、本拠地のレンジャーズ戦に「1番・投手兼DH」で今季17度目の先発マウンドに上がり、6回98球を投げ、8安打2失点11奪三振と力投したものの、自らも4打数ノーヒットに終わり、打線の援護が1点もなく0-2でのスコアで6敗目を喫した。ベーブ・ルース以来、104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」の記録に王手をかけながら2試合続けて偉業達成はお預けになった。それでも6月22日のロイヤルズ戦から6試合連続での2桁奪三振をマーク。米メディアは、敗戦投手となった大谷の投球を絶賛した。
ネビン監督代行「大谷はどう投げればいいかをわかっている」
エンゼルスタジアムのざわめきが大歓声に変わっていく。 二刀流スターは、その立ち上がりに、まさかの3連打を浴びた。先頭のマーカス・セミエン、3番のヨナ・ハイムには、160キロ前後のストレートを痛打された。無死満塁の大ピンチ。だが、ここからが圧巻だった。 4番のネート・ロウをフロントドアのスライダーで空振りの三振に取ると、続くアドリア・ガルシアにも5球スライダーで攻め連続三振。さらに6番のレオディ・タベラスも全球スライダーで3球三振。三者連続三振でピンチを切り抜けた大谷は雄叫びをあげてガッツポーズだ。 4回に先頭のロウに、そのスライダーを捉えられてソロアーチを許して先制され。5回二死一塁からコリー・シーガーにタイムリー二塁打を浴びたが、失点は、この2点だけ。結局、6回を投げて11個の奪三振ショーである。この日の大谷は、これでもか、というほど、スライダーを軸にする配球で組み立てた。 MLB公式サイトによると、全98球のうち、ストレートは17球で、スライダーが50球。そこにスプリッターとカッターを交え、スライダーで14度、スプリッターで5度、カッターとストレートで1度ずつ空振りを奪った。また45球続けて「ストレートなし」の偏った投球でレンジャーズ打線を手玉にとったが、6回の“最後の打者“となったコール・カルフーンに投じた4シームは100.5マイル(約161.7キロ)をマーク。同メディアは、「6回には球速を著しく上げた」とし、フィル・ネビン監督代行のこんな分析の声を伝えた。 「1回にストレートを2人にヒットにされた。セミエンには強烈に打たれたから、大谷はストレートで攻めることを一度ストップした。ある場面では、40球続けてストレートがなかった。だが、彼は何度かストレートを使った。彼はどう投げればいいかをわかっている。1回の後に相手をどのように抑えるかをわかっていたのだ。打者がストレートを待っていれば彼の変化球を打つのが難しくなる」 相手の裏をかき、その日、一番いいボールを使う大谷の投球術を称えた。 そのMLB公式サイトが、記事のタイトルにとったのは「大谷がまた新たなレジェンドの記録に迫る」というもの。6敗目を喫したことではなく大谷が、6試合連続の2桁奪三振をマークしたことに注目した。 野球殿堂入りしている“レジェンド”ノーラン・ライアンが1977年に記録した7試合連続2桁奪三振の球団記録に王手をかけた。「ア・リーグ、ナ・リーグの歴史の中でこれほど長い記録(6連続)を持っている他の投手は、ペドロ・マルティネス、ランディ・ジョンソン、クリス・セール、ゲリット・コール、ジャスティン・バーランダーだけだ」という。また大谷の2桁奪三振は今季9試合目でメジャートップに立っていることも伝えた。