フリーランス必見、適切な「報酬額」の設定法 よくある落とし穴と回避方法
フリーランスの報酬設定は、まるで当てずっぽうのゲームだと感じたことはないだろうか。米国におけるフリーランスの平均年収は、3万1000ドル(約475万円)から27万5000ドル(約4220万円)と言われている。報酬額の幅がこれほど広いと、これを参考にして適切な報酬額を決めろと言われても、目隠しをしてダーツを投げるようなものだと感じることだろう。それに、フリーランスの仕事においては、報酬設定を一歩間違えれば、働きすぎにもかかわらず低賃金、というような状況に陥りかねない。 実際、多くのフリーランサーは、報酬を設定する際、出だしでつまずくことが多い。このような初期段階でのつまずきが、お金を稼ぎ、収入を予測し、ビジネスを成長させることを難しくしている。よくある報酬設定の落とし穴を避けるためのアドバイスとして、本稿では新人フリーランサーが陥りがちなミスを紹介し、それを回避して良いスタートを切る方法をお伝えしよう。 ■管理費や機会費用を考慮するのを忘れる 仕事にかかるコストが報酬額を左右すべきではないとはいえ、それは考慮すべきとても重要なものだ。会社員とは異なり、フリーランサーはツール、ソフトウェア、ネット環境、保険、コンピュータストレージ、ウェブホスティングなど、あらゆるものを自ら負担しなければならない。フリーランサーは、こうした仕事をするための投下物をすべて考慮に入れながら報酬額を決定すべきである。 さらに、メールの返信、請求書の作成、プロジェクトの管理など、雑多な「隠れ業務」もたくさんある。これらの仕事は直接収入を生み出すものではないが、それでも貴重な時間を費やすことには変わりがない。これらの隠れ業務を見過ごしてしまうと、気づかないうちに労働量と比較した報酬額が低くなってしまう。 同様に、機会費用も理解すべきとても重要な概念だ。あなたがイラストレーターで、着手できる2つのプロジェクトがあるとしよう。1つのクライアントは、短納期で、かついくつかの連続したイラストのために500ドルを提供し、もう1つのプロジェクトは、700ドルを提供する一方で、完成までには最初のプロジェクトよりも長い時間がかかるが、自分のペースで働くことができる。最初の仕事を受けるということは、報酬の高い方の仕事を失う可能性があるということだ。このシナリオでは、200ドルの差が機会費用となる。納得のいく報酬額を設定するには、平均的な仕事量を細分化し、経費を特定し、報酬額がすべての隠れたコストをカバーしていることを確認する必要がある。