玉ねぎを切ると涙が出るのはナゼ? 泣かないためにできること
玉ねぎの種類によって涙の出具合に違いはある?
すべてではないけれど、ほとんどのネギ属には程度の差はありつつも、涙を誘発する催涙因子が含まれている。実際にんにくをみじん切りにしても、玉ねぎを切ったときのように涙は出ない。では、いろいろな種類の玉ねぎについてはどう? ほかの玉ねぎより、涙の出やすいたまねぎはある? 答えはイエス。トラウト博士によると、赤たまねぎと黄たまねぎは硫黄濃度が高く、涙が出るリスクがもっとも高いという。また玉ねぎをカットする際、涙を最小限に抑えるなら、ビダリア種のような甘い品種の新玉ねぎを選ぶのがおすすめ。「甘いたまねぎは硫黄濃度が低いので、それによる影響も少なくなります。ただし、完全に硫黄成分がないわけではありません」とトラウト博士。
玉ねぎで泣くのを避けるには?
まずは正しい種類の玉ねぎを選ぶことが重要だけど、玉ねぎを切る際に泣くのを避けるには、ほかにどんな手段や裏技があるの? 涙を最小限に抑えようとしたことがある人は、意外なハックを聞いたことがあるかもしれない。オンラインで見つけたいくつかのソースでは、コップ一杯の水や火のついたキャンドルを近くに置くことを推奨している。さらにもっとも人気のある解決法の一つは、木のスプーンを口にくわえることだそう。 ここで残念なお知らせだけど、これらのハックはほとんど役に立たないみたい。「玉ねぎを氷水に30分間浸すと多少反応が遅くなるかもしれませんが、完全に涙を避けるのは難しいでしょう」とトラウト博士。さらに彼女は、スプーンをくわえるという案について、「スプーンをくわえないで」と明確にコメントしている。 玉ねぎで泣くのを完全に防ぐことはできないかもしれないけれど、涙を左右する最大の要因は、玉ねぎそのものではなく実は包丁にある。カミソリを使うようなものだと考えてみて。切れ味の悪い刃は鋭利な刃よりも皮膚への刺激が大きいのと同じように、切れ味の悪い包丁は余計な摩擦を起こしやすい。 鋭利な包丁できれいに切るより、切れ味の悪い包丁で切るほうがたまねぎの自然な防御機能が働いて、涙が出る化学物質がより多く放出される。さらに切れ味の悪い包丁だと、切り刻む作業により長い時間がかかり、その間化学物質にさらされることになる。包丁を研ぐモチベーションが必要なら、これを理由にするといいかも。
translation : Mutsumi Matsunobu cooperation : Yumi Kawamura photo : Getty Images