先輩・大西宏明さんが語るベイスターズが筒香嘉智を獲得した意義 「彼の経験、野球に対する姿勢、そして人間性。すべてチームにとってプラスになる」
「言い方が正しいのかわからないですけど、お金じゃないんですよね。純粋に、自分のやりたいことに向かってやっている。そういうのはカッコいいなと思いますし、11歳下ですけど、やっぱり尊敬しますよね」 【写真】横浜DeNA・パフォーマンスチーム「diana」厳選カット集(38枚) そう話すのは、関西独立リーグ・堺シュライクス監督の大西宏明。そして大西が尊敬する相手とは、日本を代表するスラッガーであり、ベイスターズの後輩でもある筒香嘉智だ。 筒香はスター選手でありながら、多くを語らない。派手なホームランを打ったあとのヒーローインタビューでも、「ふつうです」が定番。リップサービスよりも、バットとその背中で語る。寡黙でストイックなオーラを放つ姿は、近寄りがたさささえあった。 マイナーリーグや独立リーグでどんなに苦しんでもメジャーへのこだわりを捨てず、挑戦を続けた原動力は何だったのか。また帰国した筒香がベイスターズにもたらすものは何なのか。筒香のルーキー時代から今も親交がある大西の話から、その一端がうかがえた。 【いつまでもかわいい後輩のまま】 大西に話を聞いたのは今年6月中旬。その日、堺シュライクスは予定されていた試合が雨で中止となり、大阪・河内長野市にある堺ビッグボーイズ(中学の硬式クラブチーム)専用グラウンドの室内練習場で練習を行なっていた。大西も筒香も、堺ビッグボーイズの出身である。そうした縁もあり、ベイスターズで一緒になってから親交は続いた。 「被ったのは1年だけやと思うんですけど、すごくなついてくれて」 筒香がルーキーイヤーを過ごした2010年、大西はベイスターズに移籍して3年目で、結果的にこの年がベイスターズ在籍最終年となる。 当時、プロ8年目の大西からすれば、筒香は「かわいいお子ちゃま」だったという。 「一緒に買い物したり、いろんな店を紹介したり......あと、『契約金があるからって、そんなにお金、使うなよ。もうちょっと活躍してからにせんと』とアドバイスしたんですが、すぐに活躍しましたね」