先輩・大西宏明さんが語るベイスターズが筒香嘉智を獲得した意義 「彼の経験、野球に対する姿勢、そして人間性。すべてチームにとってプラスになる」
余談だが、堺シュライクスへの入団交渉は「半分本気の話」だったという。 「『日本に帰ってきて契約が決まらなければ、実戦を積みたいので練習に参加させてもらえませんか?』っていう話はしていました。だから実際、入団交渉はしていました」 一時は巨人入りが濃厚なムードとなり、ベイスターズファンの心は大きく揺れたが、当時から大西は「あいつの人柄的にベイスターズに戻るやろ」と思っていたという。そして大西の見立てどおり、ほどなく「ベイスターズでやります」と、筒香から報告があった。 現在、筒香は骨折により一軍の戦列から離れている。それまでも数字的にも打率.206、6本塁打、11打点と、決して本調子とは言えない。ただ、大西はこう断言する。 「もちろんプレーヤーとして帰ってきているので、まず成績を残すのが第一です。ただ、それ以上のプラスアルファがあるから、球団は獲ったと思うんですよね。彼の経験、野球に対する姿勢、そして人間性。そういうのがすべてベイスターズにとってプラスになるから、筒香嘉智を呼び戻した。そのへんはもう、何の心配もなくベイスターズにとってプラスにしかならない選手やと思っています」 そして最後に、大西なりのエールも忘れない。 「たぶん(現役が)終わってから、ゆくゆくは監督になるんでしょうね。監督になったら、ベッドコーチくらいで戻るよって、また冗談でLINEします(笑)」 大西が語るように、筒香の力が必要になる時は、きっと来るはずだ。
杉田純●文 text by Sugita Jun