車椅子ユーザーが自ら出かけて作ったバリアフリーマップ
欠端さんのバリアフリーチェックはかなり細かく、具体的です。 たとえば「車椅子用駐車場は屋根はあるが雨をしのげる深さではない」など、細部までチェックしています。 坂の勾配についても、「障害レベル2ならひとりで移動可能」のように当事者視点の情報をルートの写真つきで掲載しています。 欠端さんによれば、近年オープンしたショッピングモールや、2021年の東京オリンピック・パラリンピックで新築、改修されたスポーツ施設などはバリアフリーが行き届いていて、ひとりですべて回れるそうです。 いっぽう鉄道の駅など移動に重要な施設にはまだバリアフリーが行き届いてないところもあり、そうした偏りの改善が今後の課題と考えているそうです。 ■山手線のバリアフリー状況を一緒にチェックする 今回、欠端さんと一緒にJR山手線のバリアフリー状況を見てきました。 欠端さんは車椅子用のドアがどこにあるか、ホームが狭くなっていないか、エレベーターの位置など細かいところまでチェックしていました。 電車とホームの間の段差や隙間が小さければ欠端さんはひとりで車椅子をこいで電車に乗りますが、車椅子で乗れるマークのある、ホームに突起を作ってを電車のドアとの隙間を狭くしたバリアフリー対応でも、各駅ごと段差や隙間の大きさに差があり、困ることがあると欠端さんは言います。 欠端厚志さん 「駅で注意してみるのは電車とホームの間の段差と隙間です。僕だったら段差は3センチぐらいだったらいけるけど、5センチあるとちょっとひとりで車椅子で電車に載るのはきつくなる。ホームとの隙間は5センチぐらいだったら、まぁいけるかなと思うんですけど、それより広いと、越えられるかわからなくなる。乗り降りしたことがあって、状況が分かっているホームがあれば、いけるかいけないか、判断がつく。だけど乗り降りしたことのないホームだと、ドアが開いてみないとわからないので、困りますね。駅員に声をかけてスロープを用意してもらう方法もありますが、そうすると降車駅の同じドアに駅員を配置するのに時間がかかったり、スロープを頼まないで乗ったら、降りる駅では隙間が広かったりするとどうにもならないですし、隙間が広く見えるホームを一人で降りて、隙間にはまってしまうこともあるので、恐怖との戦いがあります」