中国工業部門利益、11月はマイナス幅縮小 年間では大幅減か
[北京 27日 ロイター] - 中国国家統計局が27日発表した11月の工業部門企業利益は前年比7.3%減で、10月(10%減)から落ち込みが和らいだ。ただ国内消費の低迷が続いていることから、年間の減少は過去20年で最大になると予想されている。 中国経済はコロナ禍以降景気低迷が続く中、米国のトランプ次期大統領の貿易政策を巡るリスクに直面している。 光大銀行のマクロ経済調査担当Zhou Maohua氏は一連の景気支援策が奏功している可能性があると指摘した。製品の原材料や販売価格を反映する生産者物価指数(PPI)も11月は前年比のマイナス幅が縮小している。 ただ1─11月は前年比4.7%減少で1─10月(4.3%減)からマイナス幅が拡大。需要低迷を反映した。国有企業が8.4%減少、外国企業は0.8%減、民間企業は1%減だった。 年間の利益の減少率は2011年以来最大となる見込み。ただ集計に小規模企業を含めると、減少は少なくとも2000年以降で最大になると見込まれている。 Zhou氏は、十分な需要がない中、工業部門の回復は不均一だと指摘した。 中国指導部は今月、特別債発行など景気支援に向けさまざまな施策を発表した。来年は一段と財政出動を拡大するとみられる。 工業部門利益統計は、主要事業の年間売上高が2000万元(約270万ドル)以上の企業を対象としている。