老舗鶏問屋に学ぶ!鍋を格上げさせる鶏肉の基礎知識と丸鶏のさばき方
老舗鶏問屋に学ぶ!鍋を格上げさせる鶏肉の基礎知識と丸鶏のさばき方
老若男女を問わず愛される鶏鍋。鶏スープをまとったジューシーな鶏肉と野菜、具材の旨味が溶けたスープを余すことなく味わえる雑炊は、芯から温まるごちそうだ。そんな鶏鍋をレベルアップするなら、素材にこだわりたい。鶏肉専門の老舗問屋『鳥藤』の4代目、鈴木昌樹氏に、最高の鶏鍋をつくるためのノウハウを伝授してもらった。
鍋のための鶏肉基礎講座
地鶏=高い=良いなんて思いこんでいる人は必見! 地鶏の魅力をさらに知るには、やはり専門店に足を運んでほしいのだ。
ブロイラーと地鶏の違いは?
ブロイラーは孵化三カ月未満の鶏を指し、飼育方法に定義はない。流通している食用鶏のほとんどがブロイラーである。一方、地鶏には厳しい基準がある。飼育環境の差が生む運動量により身が引き締まり、歯ごたえも良い。 地鶏の条件。
丸鶏、鶏ガラ、手羽の出汁は違う?
基本的にどの部位でもダシは出るが、手羽や骨付きモモなど脂がのっている部位を用いれば、よりコクが出る。長時間煮込む余裕があるのであれば、旨味たっぷりの丸鶏に挑戦したい。新鮮な鶏が手に入れば足や頭を加えても◎。沸騰した湯に部位を入れて、沸いたら一度湯を捨てる。弱火でじわじわで透明スープに。グツグツと煮込むと白濁スープとなる。どちらの場合もアクは丁寧に取り除きたい。
日本4大鶏鍋とは?
日本人と鶏の付き合いは長く、万葉集にも “鶏の歌” が14首も収められている。実際に鶏を食べる習慣が広まったのは江戸後期から明治にかけて。飼い慣らしやすく食べやすいという理由もあり、各地で鶏鍋が普及した。 <水炊き(福岡)> 福岡県の郷土鍋。主に皮や骨つきモモ肉のぶつ切りを用い、水からスープを煮立たせる。 <かしわ鍋(京都)> 名古屋以降の西では鶏のことを「かしわ」と隠語で呼ぶ。いわゆる水炊きである。 <軍鶏鍋(東京)> 軍鶏肉が入っていれば軍鶏鍋と呼ばれる。コリコリとした食感の肉を甘辛出汁で煮込む。 <きりたんぽ(秋田)> 比内地鶏の出汁をベースに醤油で調味した、秋田の郷土料理。給食にも登場するとか。