意地見せた町田 果敢に攻めて久々白星―Jリーグ
J2から昇格して旋風を巻き起こした町田の勢いは、近ごろはすっかり陰っていた。 9月14日を最後に、5試合も白星がなく、負ければ優勝の可能性は完全についえる一戦。黒田監督は「選手は不安と重圧に押しつぶされそうだったと思う」と察した。4万人以上が入った国立競技場で、真価が問われていた。 【写真】後半、競り合う町田の相馬とF東京の東慶 これまでとは異なる3バックでスタートし、F東京の出はなをくじいた。望月やエリキがスピードを生かして何度も敵陣に切り込む。先制点を挙げ、2点目をアシストした白崎は「みんながアグレッシブに戦い、ハードワークをした結果」。見違えるような攻めで19本ものシュートを浴びせた。 格下の鳥栖に足をすくわれた前節、累積警告で欠場した主将の昌子は、「僕がいたら少しは結果は変わっていたのでないか」と責任を痛感していた。3バックの一角として体を張りながら、前の試合は動きが縮こまっていたように見えた仲間を鼓舞。ミスを恐れず戦い抜いた。 8日に続投が発表されたばかりの指揮官は「明るい兆しが見えた。この戦い方が来年のベースになってくる」。勝ち点3以上に、果敢な姿勢を取り戻したことが収穫。意地を示した選手を手放しで称賛した。