「冬に備え新規陽性者数の減少を」 東京都コロナ会議で大曲氏
東京都は16日、都内の新型コロナウイルスの「感染状況」や「医療提供体制」を専門家らが分析・評価する「モニタリング会議」を開いた。会議で、国立国際医療研究センター病院の大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長は、新規陽性者数の7日間平均が前週の約1986人に対し、今週が約1095人減少していると報告。一方、「感染の拡大が懸念される冬に備えて、新規の陽性者数を十分に減少させる必要がある」とも訴えた。
大曲氏は新規陽性者の7日平均について「8月19日の時点での1日当たり約4702人をピークに、減少を続けているが、依然として高い水準にある。感染者がいまだ市中に潜在している可能性がある」と説明。「現在も多数の入院患者、重症患者が治療中であり、新規陽性者数が増加に転ずれば再び危機的な状況になる」とも語った。
大曲氏は「新規陽性者が減少した後の最小値、(昨年春の)第1波以降、感染拡大の波を繰り返すたびに前回の最小値よりも高くなっている」とも報告。「要は一番下がり切った数字が高い状況にあると、反転して増えた際のスピードが著しいということ。そうならないようにしたい」と求めた。