大分の竹籠、熊本の“渋うちわ”、山形の絹バッグ…旅先で見つける、ていねいな「手仕事」5選
CREAがはじめてひとり温泉を特集して7年。当時は「女性がひとりで温泉なんて!」と驚きを持って受け止められたこのテーマも、いつしか珍しくない光景となりました。 【画像】柿由来の“渋”を塗ると防虫の役目も。熊本の渋うちわ 好評発売中の「CREA」2024年秋号では、コロナ禍を経て、進化する“温泉地”を舞台に、めぐる旅を大特集しています。 日本各地にあまたある温泉地には、その土地の気候風土に根差した魅力的な手仕事の数々が。今回は旅先で出合って連れて帰りたくなる手仕事の逸品を、“ひとり問屋”を営む日野明子さんがセレクト。
◆青竹工房 桐山の竹籠[大分/竹田]
日本一の重炭酸泉で有名な長湯温泉を擁する竹田で、手ぬぐいや着替えを入れて温泉ホッピング。竹籠の軽やかさを実感したら、入手せずには帰れない。 「自ら真竹や縁を巻くツヅラを採り、黙々と籠を編まれる桐山浩実さん曰く、『竹はしまいこまず、使って風を通すのが一番』」(日野さん) 工藝ギャラリー Kiriyama ※受注生産により販売
◆栗川商店の渋うちわ[熊本/山鹿]
柿由来の“渋”をうちわに塗ることにより、和紙を丈夫にして防虫の役目も果たす渋うちわ。絵柄や形のバリエーションも豊富で好みを選ぶのも楽しい。 「代々つくり続けられているシンプルかつ味のある形と素材。山鹿温泉めぐりのお伴にも」(日野さん) 栗川商店
◆山口和宏作 こっぱくん[福岡/うきは]
原鶴温泉にほど近い、うきは市生まれの「こっぱくん」。家具の制作に向かない虫穴や節がある材や端材を利用してつくられるサイドテーブル。椅子に見えて椅子じゃない。 「山口さんの人柄がにじみ出る作品。座りたい気持ちをグッと我慢して、この愛らしくも絶妙な“存在”を楽しみたい」(日野さん) Jingoro
◆西持田窯のピッチャー[島根/松江]
窯焚きの後は、松江の多久の湯や玉造温泉でひと風呂浴びるという津田さんの暮らしぶりが作品にも現れる。 「沖縄での修業を経て、パートナーの地元・松江の西持田で開窯した津田堅司さんのものづくりは実直・骨太。現地の土・火・空気を感じさせてくれる」(日野さん) objects 所在地 島根県松江市東本町2-8 電話番号 0852-67-2547 営行時間 11:00~18:00 定休日 不定休