年末年始に読みたいマンガ!仕事、妊活、自己肯定感…令和の悩みに効く3冊
仕事、友情、妊活etc…20代後半から30代のyoi読者には、モヤモヤの種がいっぱい。簡単に解決することではないけれど、マンガを読んでちょっと心が軽くなったらうれしいですよね。『女子マンガに答えがある』などの著書で、マンガを通して生き方のヒントを提示してきたトミヤマユキコさんに、読者から寄せられたお悩みに効く“処方箋”のような3冊を選んでいただきました。 【画像】yoiのおすすめマンガ フォトギャラリー
お悩み:正社員じゃない自分に焦りを感じています。もっと多様な生き方が知りたいです。
「現在フリーターの25歳です。将来の姿が見えなくて悩んでいます。独立とか起業のような、大きくてすごいものではなくて、もっと小さくて多様な生き方を知りたいと思っています」 ■トミヤマ's 処方箋:水凪トリ著『しあわせは食べて寝て待て』 トミヤマさん:正社員でも、独立や起業のようすごいでもなく、もっと小さくて多様な生き方を知りたいというあなたには、水凪トリ先生の『しあわせは食べて寝て待て』を処方したいと思います。 病気がきっかけで都心のマンションから団地へ引っ越した主人公の麦巻さんは、最初は、お年寄りがたくさん住む団地特有の人間関係に不安を覚えるのですが、お互いがゆるくつながり支え合うコミュニティのなかで、マイペースに働き、健康に気をつけながら生きていくことも悪くないということにだんだんと気がついていきます。 そして、有名になるわけでも、すごいお金持ちになるわけでもないけれど『私の生き方は、これで大丈夫そうだ』という確信を得るのです。
このマンガを読む前は、“出世を目指して頑張らないといけない”、“出世街道から外れたら終わり”という強迫観念を持っていた男性たちも、不測の事態に見舞われた麦巻さんが、現状に絶望することなく、人生をソフトランディングさせていく姿を見て、違った価値観があることに気づく。「まわりの人たちとのコミュニケーションを大事にして、うまくコミュニティの中でやっていけたら、思ったほど不幸を感じずに生きられるんじゃないかと思った!」と熱く語ってくれるんです。 相談者さんも、現在25歳ということで、ちょうど若者から大人になる年齢に差し掛かり、「これから先どう生きていけばいいんだろう」という不安や恐怖を感じていると思うのですが、「それはあなたの悩みであると同時に、あなたとは一見別の世界にいるように見えるサラリ-マン男性が抱えがちな悩みでもある。まわりに同じ悩みを抱えた仲間は意外といるものだ」ということをお伝えしたいです。 元気がモリモリと湧き出てくるマンガではないけれど、どんな状況に陥っても、人生をうまく泳いでいくやり方はあることを教えてくれるマンガです。 『しあわせは食べて寝て待て』 水凪トリ著 秋田書店