ネットざわつく…ヤクルトがオリックス山本由伸を避け奥川恭伸を第2戦に回す奇策打つ?!日本S予告先発なしの影響はどう出るのか
今日20日からオリックスの本拠地京セラドーム大阪で開幕する日本シリーズの監督会議が19日、大阪で行われ、今シリーズでは、予告先発が採用されないことが決定した。ヤクルトの高津臣吾監督が希望しなかった。それでもオリックスの中嶋聡監督は、第1戦の先発に5冠エースの山本由伸(23)の先発を予告。対するヤクルトは奥川恭伸(20)の先発が有力視されているが、ネット上では「奥川は回避か」の憶測の声が飛び交った。高津監督が師と仰“名将”故・野村克也氏は、かつて西武との日本シリーズでエースを第2戦に回す秘策を使ったことがある。4年ぶりとなる「予告先発なし」の影響はどう出るのだろうか。
1993年の西武vsヤクルトの日本Sではノムさんが奇策
俄然、おもしろくなってきた。仕掛けたのはヤクルトの高津監督。メジャーのポストシーズン同様、もはや当たり前のようになっていた予告先発が、2017年のソフトバンク対横浜DeNAのシリーズ以来、4年ぶりに採用されないことが決まった。それでも中嶋監督は山本を第1戦に立てることを予告したが、高津監督は沈黙を守った。当初はクライマックスシリーズのファイナルステージの第1戦に抜擢、巨人相手に98球の「マダックス」と呼ばれる完封勝利をやってのけた奥川を16連勝中の“5冠エース”にぶつけると考えられていたが、ネット上は、「奥川を回避して、第2戦に回すのか」と騒然となった。 パ・リーグの野球に詳しい元阪神、ダイエー、ヤクルトでプレーした評論家の池田親興さんは、奥川の“開幕外し”に賛成の意見を持つ。 「奥川を山本にぶつけないという選択肢があってもいいと思う。攻略の難しい山本をあえて避けて、捨てゲームではないが、第2戦目に奥川で確実に1勝を取りにいき、1勝1敗のタイに戻して、失いかけたシリーズの勢いを取り戻す。そして東京ドームではあるが本拠地へ帰って出直すという戦略は面白いと思う。私のシリーズ予想はオリックスの4勝3敗だが、もし、その戦略がはまれば逆にヤクルトの4勝3敗もあるかもしれない。ヤクルトの監督時代の野村克也さんが日本シリーズで似た戦略で成功したこともあった」 1993年のヤクルト対西武の日本シリーズでヤクルトを率いる“名将”野村監督は、レギュラーシーズンで15勝3敗、防御率、最高勝率の2冠を獲得して開幕投手が確実視されていた西武の左腕エース、工藤公康にチームのエース格だった西村龍次をぶつけることを避けて第2戦に回す戦略を採用したことがある。レギュラーシーズンでは先発4、5番手だった荒木大輔を開幕投手に指名した。もちろん予告先発もなかった。ヤクルトは、この戦略で連勝。第7戦までもつれこんだが、前年度のリベンジを果たし日本一に輝いている。胴上げ投手は、クローザーの高津監督だった。当時のノムラID野球の短期決戦用の戦略を身をもって知っているだけに山本と奥川のマッチアップを避ける決断をしたとしても不思議ではない。