全米メディアは大谷翔平の満票MVPをどう報じたか「永遠に語り継がれる栄誉」「ブ軍党は不公平と思うかもしれないが正しい投票」
メジャーリーグのMVPが18日(日本時間19日)に発表されアメリカン・リーグではエンゼルスの大谷翔平(27)が史上19人目の満場一致で選出された。MVPは全米野球記者協会の選ばれた30人の記者が1位、2位、3位と順位付けをして投票する方式で決められ大谷は30人全員から1位(14ポイント)に支持されて計420ポイントを獲得、最終候補者だったウラジミール・ゲレーロJr.(22、ブルージェイズ)、マーカス・セミエン(31、ブルージェイズ)を引き離した。大谷のMVP受賞を全米メディアはどう報じたのか。
野球界で100年間見ることができなかった偉業
地元のロサンゼルスタイムズ紙は、「エンゼルスの二刀流スター、大谷が満票でア・リーグMVPの栄誉を勝ち取る」との見出しを取り「戴冠式が完結した。大谷は、野球界で100年間見ることができなかったことをシーズン開幕から始め、二刀流スターの前例のないスキルが完全な形で広く披露されるとオールスターブレークでその勢いはさらに増した。そしてエンゼルスが終盤に(ポストシーズン出場争いから)脱落した時でさえ、大谷の周りにあった興奮が冷める気配は一度もなかった」と書き出し、「満票で選ばれるMVPの発表をもって彼は歴史的なシーズンの頂点となる最大の栄誉を手にした」と絶賛した。 エンゼルスでは、ドン・ベイラー(1979年)、ウラジミール・ゲレーロSr.(2004年)、マイク・トラウト(2014年、2016年、2019年)に続き4人目の受賞で、日本人としては、2001年のイチロー・スズキ以来2人目の受賞になったことを紹介。 その上で「だが、過去の受賞者は彼のようなシーズンは送ってこなかった。スポーツ史全体で大谷の2021年は比類のないものだった」と続けた。 一方で、「来シーズン、あるいは将来的に彼がこのような輝かしい二刀流の成績を繰り返すことができるのか、2023年オフに権利を得るフリーエージェント問題など多くの疑問が出てくるだろう。彼は達成できるすべてをやり遂げた後に、エンゼルスをプレーオフに導くに十分ではなかった事実に対してフラストレーションがあったことを認めた。シーズン終盤に彼はチームに長く残りたいという願望を不明瞭にしたようなコメントを発した(彼の代理人は大谷がアナハイムでの現状に『とても満足している』と主張したが)」とも指摘した。その上で記事を「だが、木曜日の発表では、それに関することは全く出なかった。歴史的な1年を通じて大谷は野球界でかつて誰も見ることのなかった偉業を達成した。そして今、これはMVP級のシーズンというだけでなく満票の受賞で認められた栄誉として永遠に語り継がれていくことになるだろう」という賛辞の言葉でまとめた。 対する2人の候補が落選となったブルージェイズの地元紙であるトロントスター紙は「大谷、ゲレーロ、セミエン。MVP投票者はブルージェイズファンには不公平に見えるかもしれない決着を正しくつけた」との見出しを取って報じた。