「8番投手」の”ラミ流采配”迷走で横浜DeNAが自力V消滅
ただ、実のところ「8番・投手」を起用した27試合の勝敗は15勝11敗1分けと勝ち越している。「8番・投手」の1試合の平均得点は「4.40」でチームの平均得点「4.35」より若干上回っている。「8番投手で負ける」ことが目立たないために、そこまで「8番投手」に対してのチーム内外からの批判的な声が強くはならないのかもしれない。 横浜DeNAのフロントは原則として現場の采配に口は出さない。だが、2018年シーズンは「8番・投手」が常用化しており、高田繁・前GMが「あの8番投手だけは、いただけないんだよな」と苦言を呈していたことがある。そういう経緯もあってか、2019年の開幕前には、ラミレス監督は、「今年は8番投手はやらない」とメディアに公言。7月18日まで“封印“していたが、いつのまにか“封印“を解くと、後半に「8番・投手」を再び使い始め、今季も、その作戦を状況に応じて継続して使っている。 ラミレス監督の采配は、ある意味、頑固でぶれない。今後も“ラミ流“を貫くのだろうが、中日3連戦に負け越したことで自力Vが消滅した。 「それは仕方がない。といっても、今日でシーズンは終わりではない。デイ・バイ・デイ(1日1日)、日々の試合をしっかりと集中して勝っていきたい。次のゲームを勝つことだけを考えて」 ラミレス監督は、そうポジティブに語った。 巨人と10ゲーム差がついた時点でも「首位巨人とのゲーム差を考えるとストレスになる。それは考えずに1試合、1試合、目の前の試合を勝っていくだけ」と語っていた。 デイ・バイ・デイ・ベースボール(1日1日全力を尽くす)の姿勢は変わらない。 巨人との直接対決が、12試合もあることを考えると、今後、自力Vが復活する可能性は十分にある。 前出の橋上氏は、こんな意見を持つ。 「厳しい見解になるが、巨人を逆転するのは、ほぼ無理。巨人は今大型連敗の考えにくいチーム状況にある。ただワンチャンスがあるとすれば阪神ではなく横浜DeNA。しかし条件がある。戦列を離れている今永、平良、ロペスらの戦力がすべて揃うこと。オースティンは戻ってきたが、残りのメンバーが、どこで間に合うのか。戦力が揃えば連勝する力はある。逆転までは難しいとしてもゲーム差を詰めてペナントを面白くできる可能性はある」 18日からは巨人との3連戦を控えている。