なぜ元西武の”問題児”相内誠はRISEでの格闘家デビュー戦で屈辱の125秒TKO負けを喫したのか…今後の可能性は?
キックボクシングの「RISE ELDORADO 2021」が2月28日、横浜アリーナで開催され、元西武の“問題児”相内誠(26、フリー)が格闘技デビューしたが、モンゴル出身のDelgermuru拳信王(デリゲルムルン・ケンシンハン=31、FLAT UP)に2度のダウンを奪われ1ラウンド2分5秒でTKO負けを喫した。10カウントを聞かなかったのはせめてもの意地だったが準備不足を露呈。記憶が飛ぶ経験をした相内は、試合後、「ここから這い上がる」と格闘家続行を宣言したが、異例の転身は多難のスタートとなった。
「ボコボコにされちゃいました」
リングを降りる際に相内はよろけた。生まれて初めて足元がおぼつかないほど人に殴られた。わずか125秒で終わった屈辱のデビュー戦。勝者を称える儀式も忘れるくらいのショックを受けて相内はリングを後にした。 「ボコボコにされちゃいましたね」 インタビュールームに現れた相内は足を引きずっていた。 「脚の内側を蹴られたのが初めてで…それがめちゃくちゃ痛かった」 拳信王は、手足の長い相内の距離を警戒、前脚の左大腿部の内側、いわゆるインローを大量に浴びせてきた。そこは短期間のスパーでは蹴られたことのない場所だったという。 「距離を取り、相手の攻撃を冷静にカットして“カットできるんだ””ちゃんとやれるんだ”というところをまず見せよう」という展開を考えていた。 身長差を生かした前蹴りから様子をうかがい、右のミドルからコーナーに詰めた。KO予告していた右ストレートを叩き込み、「奥の手」であるはずだった右膝をいきなり使ったが逆に左手を伸ばされて吹き飛ばされた。判定はスリップ。立ち上がりパンチを繰り出すが、大振りになって当たらない。ローとミドルで痛めつけられ、左のボディショットに腰を折ると追撃の左のミドルが脇腹にめりこみ、たまらず膝をついた。 「(肋骨の骨が)何本かいっちゃってますよ(折れている)」と、自覚したほどのダメージを受けて一度目のダウン。 それでも本能に火がついたのか。必死の形相で立ち上がると、前に出て右膝蹴りを仕掛けたが、簡単にバックステップでかわされた。 「右膝で倒すのが理想形だった。ヤバいと思って膝を出したが届かなかった。難しいですね」 逆に左ミドルから強烈な左ストレートを顔面に浴びて、もんどりうって倒れた。 「記憶が飛んだ」という。