【ニューイヤー駅伝】22年ぶりに揃うマラソン日本歴代トップ3の鈴木健吾、池田耀平、吉田祐也がチームのカギ握る
ベルリンに同行した入船敏コーチによれば、主催者が設定した第2集団の中間点通過は1時間01分45秒だった。このタイムで前半を走った日本選手は、途中棄権したケースを除けば過去にいない。実際には1時間02分25秒と設定より遅くなったことで、「池田が余裕を持つことができた」と入船コーチ。「まだまだ行ける余地がある、ということです。次は今回の経験を生かした日本記録を狙うレースができると思います」 しかし1時間01分45秒の中間点通過をした場合も、池田にとって一か八か、という走り方ではなかった。池田自身はレース前に日本記録も意識していたが、高岡監督からは「日本記録への挑戦も応援するが、昨年のアジア大会の失敗(6位・2時間15分04秒)やケガでMGC出られなかった経験を踏まえて、まとめる走りを欲しい」と言われていたのだ。国際レースで一度、次につながる結果を残すことが重要だった。 池田は第2集団で走った中では2番目でフィニッシュした。2時間04分35秒の5位だったハイレマリアム・キロス(27、エチオピア)には先行された。池田が初マラソンだった大阪(23年2月。7位・2時間06分53秒)で優勝した選手である。 「35kmまではキロス選手とも一緒に走っていましたし、日本記録の35km通過も上回っていました」と池田。終盤の強さがあれば日本記録を更新できていた。そのために「駅伝を入れつつスピードを強化していきたい」と話す。 池田はトラックだけ、マラソンだけと考えず、走力全体をアップさせる成長の仕方を見せてきた。それが現れているのがニューイヤー駅伝で、2年前に当時の最長区間の4区で区間賞、前回も最長区間になった2区で区間2位。25年の元旦も走力アップした池田が見られそうだ。 ■鈴木は日本記録のときに近いシーズンの流れに 歴代2、3位記録が24年にマークされたのに対し、鈴木健吾の2時間04分46秒の日本記録は21年3月のびわ湖マラソン(現在は大阪マラソンに発展的に解消)と、3年半前の記録である。