【ニューイヤー駅伝】22年ぶりに揃うマラソン日本歴代トップ3の鈴木健吾、池田耀平、吉田祐也がチームのカギ握る
「中間点通過が予定より遅かったですから、記録は考えませんでした。それでも2倍にしたら2時間6分で、世界陸上の参加標準記録(2時間06分30秒)は出すことができる。自分のリズムを維持することだけを意識しました」 それが功を奏した。吉田は後半を1時間02分18秒と、日本選手の2時間6分未満のレース中最高タイムで走破。後半の強さを発揮することで日本歴代3位のタイムを叩き出した。 世界陸上参加標準記録突破者は吉田が3人目。今年2月の大阪マラソンの平林清澄(22、國學院大)が2時間06分18秒、9月のベルリン・マラソンの池田が2時間05分12秒を出している。だが代表選考という点では福岡国際マラソンと、同日の防府マラソンから始まる代表選考競技会の標準記録突破者が、選考競技会以外の突破者よりも優先される。 今後の標準記録突破者数次第ではあるが、青学大OB初の五輪&世界陸上代表に吉田が大きく近づいた。 ■日本選手過去最速ペースにも挑戦するつもりだった池田 池田は高速レースとして知られる9月のベルリン・マラソンに出場。2時間05分12秒の6位という成績だったが、後半で順位を大きく上げている点が高く評価できた。中間点通過が設定より遅かったが、福岡の吉田と同様に落ち着いて対処した結果だった。 「監督(元日本記録保持者の高岡寿成監督)からも外国のレースは、ペースメーカーが安定しないかもしれない、とアドバイスがありました。最初の5kmに15分(15分02秒)かかったことでイライラしていた選手もいましたし、ペースが上がったとき(20kmまでの5kmは14分28秒)や、給水でスピードに変化が生じたときは集団の後ろに位置して、多少差ができても自分のリズムで走ることを心がけました」 池田は中間点を1時間00分57秒で通過した第1集団ではなく、1時間02分25秒の第2集団でレースを進めた。20人近くが先頭集団で走っていたが、全員が最後までそのペースで行けるわけではない。池田は「落ちてくる選手もいる。第2集団のトップを取る戦い方」に徹した。中間点では23番目を走っていたが、30kmでは18位、35kmでは13位、40kmでは7位と順位を上げ、最後の2.195kmでは40km地点で50秒前にいた選手を逆転した。