トヨタとのタッグを活かす スバル・クロストレックにトヨタ由来のフル・ハイブリッド・モデルが予約開始
正式発表は12月の予定
スバルは「クロストレック」のハイブリッド・モデルである「e-BOXER」にフル・ハイブリッド仕様を追加。正式発表は2024年12月の予定だが、2024年10月17日から先行予約が開始された。なお、これまでラインナップされていたマイルド・ハイブリッドも併売される。 【写真10枚】スバルで1位、2位の販売台数を誇るCセグメントSUV、「クロストレック」に追加された、トヨタの技術を用いたフル・ハイブリッド・モデルの詳細画像をチェック ◆シリーズ・パラレル方式のTHS IIを採用 フル・ハイブリッド・システムのベースとなるのは、プリウスをはじめ、多くのトヨタ製ハイブリッド・モデルに採用されているシリーズ・パラレル方式の「THS II」。このシステムにスバル独自のシンメトリカルAWDと新開発の2.5リッター水平対向エンジンが組み合わされている。 ◆2.5リッター・エンジンと組み合わせる マイルド・ハイブリッドの2.0リッター水平4に対して排気量を拡大することで、エンジンのゆとりある動力性能と高出力の駆動用モーターによる高い加速性能を実現。THS IIを使うことで、燃費性能をはじめとするフル・ハイブリッドの能力が得られるだけでなく、ゼロからを独自開発するよりも低いコストで済むという効果も大きいはずだ。 フル・ハイブリッド専用の2.5リッター水平対向エンジンは、ゆとりのある動力性能と高い熱効率による燃費性能が特徴。また、高電圧バッテリーから供給される電力のコントロールをパワーコントロールユニットに統合することで、高い電力変換効率で、車両の電費性能の向上にも寄与する。燃費は、長年の間、スバル車の弱点と指摘されることも多かったが、走りの良さと燃費を両立した新しい選択肢は、ユーザーのすそ野の拡大にも寄与するだろう。 ◆ワンタンクの航続距離は1000km超え 燃費だけでなく、航続距離の長さも美点。フル・ハイブリッドはパワーコントロールユニットを荷室フロア下からエンジン上部に配置を変更し、燃料タンクまわりを省スペース化することで、燃料タンク容量を63リッターに拡大。マイルド・ハイブリッドよりも約20%の燃費性能向上を実現したことと併せて、航続可能距離を大幅に伸長させた。その距離は歴代のスバル車最長となるワンタンク1000km超を記録する。 また、トランスアクスルは駆動用と発電用の2モーター、フロント・デファレンシャルギア、電子制御カップリングをひとつのパッケージに集約。88kWという最高出力を発生する駆動用モーターが、街中などを中心に、幅広い走行シーンでモーター走行を可能としつつ、モーターが苦手な領域をエンジン駆動がカバーする。また、発電用モーターから高電圧バッテリーへの電力供給を緻密に制御することで、駆動用モーターの電力量を常に安定に保つことができる。 ◆後輪もハイブリッド・ユニットで駆動 スバルらしい高い悪路走破性を機械式4WDの採用で確保されている。プロペラシャフトで前後輪をつなぐ機械式4WDは、路面状況に合わせて後輪へ駆動力を瞬時に伝え、前後輪のトルクを適切にコントロール。雪上や泥濘路、林道などシーンを問わずスバルらしい優れた走行安定性と高い悪路走破性を実現するという。 駆動用バッテリーは、高密度、軽量、長寿命なリチウムイオン大容量高電圧バッテリーを新たに開発。マイルド・ハイブリッド・モデルと同様に、荷室フロア下に格納することで、荷室の実用性を確保している。 そのほか、運転支援装置の「アイサイトX」の採用やAC100V/1500W電源のオプション設定など、見どころ満載のクロストレック・フル・ハイブリッドモデル。価格は正式発表されていないが、気になる方は正規販売店を訪れて見てはいかがだろうか。 文=塚田勝弘 (ENGINE WEBオリジナル)
ENGINE編集部