副業で売上1000万円!タクシー会社が空き家を活用した「きくらげ栽培ビジネス」で成功した理由
さらには、自社ブランドのきくらげ「あの日のはごたえ」も誕生。これも人気を博している。 ――きくらげ栽培での苦労は? 「資金が少ないところから始めた事業のため、内装の解体からすべて自作というのが大変でした。特に冬場の暖房コストを下げるため、廃菌床を利用したストーブの開発などこれからも試行錯誤で改善していこうと思っています」
最終目標は年商1億&空き家問題の解決
2020年から始めたきくらげ栽培。苦労の甲斐あって、わずか数年で軌道に乗った。 現在は埼玉県内の一部スーパーや直売所で販売し、さいたま市内の学校給食にも提供。飲食店にも直接販売しているという。 ――きくらげ栽培で大事なポイントは? 「栽培はもちろんですが販路やそれに伴う流通コストなどを意識しながら進めています。いまだに栽培の失敗など繰り返していますが、農業は規模が大事なので販路開拓を先に行い市場規模を見極めるのがポイントかなと思います。それによって生産の拡大にも繋がっています」 そんな清水氏の目標は大きい。 「今はまだ冬場などに栽培に波があり、年間にならすと売上は1000万程度なんですが、直近の目標としては1800万を目指しています」 量販店などを通じた販売も好調で、専用のビニールハウスなどを設置して生産の倍増にも着手。本業を救うために始めた新ビジネスが確実に実を結んだ。 今後は栽培規模のさらなる拡大を目指しているという。 「専用のビニールハウスでの生産に加え、今後は菌床工場の建設、パートナー生産者の募集なども視野に入れ、最終的には1億は目指したいと思っております」 ところで、副業として始めたきくらげ栽培は本業のタクシー事業にも影響を与えたのだろうか? 「タクシー事業に直接の影響はありませんが、車体のラッピングなどを見たお客様から、好意的なお言葉をたくさん頂いております」 「タクシー事業においては、高齢の従業員や運転が難しくなった従業員の次なる働き場所として、きくらげ事業を提案できるいうのはメリットになっているかと思います」 また、清水氏が常務を務める日栄交通では、地域課題である「空き家問題」にも注目。 生産者の少ない国産の生きくらげを広めるべく、空き家活用の一つとして「きくらげ栽培」を広めていきたいと考えているとか。 苦境から生まれたノウハウが地域問題対策としても役立つかもしれない。 最後に聞いてみたい。 誰もが気になる「副業で成功する秘訣」。 無理を承知で清水氏に尋ねた。 「農業や製造業の場合、生産規模を一気に増やさないことは大切だと思います。小さく始めて需要調査をしつつ需要に合わせた生産をしないとロスが多くなったり在庫を抱えることになるので、なるべく需要ありきで生産量を増やすように注意しながら続けていくことだと思っています」 取材協力 日栄交通株式会社 清水雄一郎氏X @OntheroadSurf 文/太田ポーシャ
@DIME編集部