「移民を排除する」トランプと、彼を支持した「MAGA」主義者の正体…崩れゆく「アメリカの前提」とこれからの30年間に「世界で起きること」
日本がおかれる立場
――では、我々日本人はどうするべきでしょうか 日本はアメリカのために何をしてくれますか、という話になるでしょう。トランプから見れば、いまの日本は何もしていない。憲法を改正して、東アジアは自分で守れとなるかもしれない。 噂によるとトランプは日露戦争があったことを知らなかったらしい。戦後70年の蓄積も知らないでしょう。つまり、どんな無茶ぶりをされるかわからないわけです。 では、どうすればいいのか。対策は、この先を読むことです。分析をしたら対策が立つというものではないが、相手に振り回されなくてすむ。 まず、アメリカの内情をしっかりと理解すること。そして、世界の権威主義国家の動向を注視することでしょう。 プーチンはこのままではいられない。独裁者や権威主義的体制は遅かれ早かれ崩壊します。習近平は3期目に入ったが、本当に「台湾有事」を起こす実力があるだろうか。4期目は、もうないかもしれない。ポスト習近平になったらどうなるのか。分析するのはとても難しい。 北朝鮮も同じで、金日成、金正日のときに比べて国内がゆるんでいるように見えます。金正恩には息子がいないようなので、後継ぎ問題で混乱が予想されます。 今後、30年の間にこうした問題が噴出するでしょう。 日本は、いくつものシナリオを考えて、最善のアクションを追求するしかありません。今まで以上に、よく勉強しないと、対応を間違えてとんだ失敗をすることになる。 経済力がじり貧なぶん、ちゃんと頭を使わなければいけない時代になったのです。 関連記事『トランプが和平を実現しても、ウクライナ戦争が終わらない「意外な理由」とゼレンスキーが迫られる「究極の二択」』でも、トランプ大統領誕生後を占っています。
橋爪 大三郎、週刊現代