米大統領選後の「金融政策」の見通し ~2024年11月FOMCレビュー【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
FF金利の予想最終到達点を引き上げ、今後は下院選の結果などを注視しつつ見通しを検討へ
結局、今回は先行きの利下げに関する明確な手掛かりは示されませんでしたが、米大統領選でトランプ氏が勝利した直後であり、どのような経済政策が打ち出されるのかもまだ明確ではない状況を踏まえると、当然のように思われます。なお、弊社は米金融政策について、25bpの利下げが年内は12月、来年は3月、6月、9月、12月に、それぞれ行われるとの見方は不変ですが、FF金利の予想最終到達点を2.875%から3.375%に引き上げました。 なお、トランプ氏の景気刺激的な政策は、弊社の2025年および2026年の、実質GDP成長率予想と物価上昇率予想の上方修正要因であり、金融政策の見通しにも影響すると考えています。ただ、現時点で下院選の結果が判明しておらず、「トリプルレッド」か「ねじれ議会」かで、トランプ氏の政策の実現度が大きく変わるため、目先は下院選の結果とトランプ氏の動向を注視し、見通しを検討していくことになります。 (2024年11月8日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米大統領選後の「金融政策」の見通し ~2024年11月FOMCレビュー【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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