お菓子研究家・福田里香さんの「新しいバターの食べ方」付き!カルピスバターがプロに支持される理由。
野村 ものすごく楽しみにしてきました! どれも見た目にもすごく華やかでうっとりします。このフィナンシェ、削りかけたバターが口の中で溶けて、スパイスが香って。大人の味ですね。 福田 最近は焦がしバターの美味しさというのもバタースイーツ人気を牽引していて、フィナンシェやマドレーヌもその焦がしをテーマにしたのが増えているんですね。焦げとフローズン、2つのバターの美味しさを同時に味わってほしいなと。 野村 あんバターの最中はデザートとしての完成度がすごいです。 福田 ご家庭ではバターを冷蔵庫から出したタイミング、つまりコールドの状態で食べるのがいちばん多いですよね。それをアレンジしてみました。
温度差で生まれる変幻自在の美味しさ。
野村 あんこの甘さとバターのコク、そこにフルーツのみずみずしさや季節感が加わるので、さらに味が多層になるという。ホントに美味しい。 福田 基本的にバターは生クリームとほぼ一緒の原材料なので、生クリームと一緒にケーキに使うものはだいたい合うと思うんですよ。いまだとアメリカンチェリーや桃、秋になったらイチジクや洋梨もおすすめです。常温は、バターボードで。近年欧米を中心に人気を博していて、いまインスタグラムやTikTokで、数多くアップされていますね。昔からチーズボードってありますよね。いろいろな種類のチーズやハムやドライフルーツなどを盛りつけてサーブする。それを常温にしたバターをボードに塗りつけて、ナッツやハーブなどをトッピングして、パンやクラッカーあるいはスティック野菜などといただくスタイルです。 野村 このホイップしたバターは、すごく迫力あります。レモンやサワークリームの風味でいくらでもいけそう。 福田 デンマークのコペンハーゲンにある『アトリエ・セプテンバー』というカフェが、ガストロノミーの世界でたいへんな脚光を浴びていて。北欧を代表するレストラン『ノーマ』の創業者と同じ師匠の下で修業したオーナーシェフが腕を振るうのですが、シンプルで美味しい朝食が大人気。こういうホイップドしたバターがどーんと出てくる朝食なんです。 野村 ピーラーを使ったり、ボードに塗りつけたり、形態の変え方がすごく面白かったなと思いました。バターってこんなふうにも変化させられるんだと思うと、バターの可能性が広がります。メーカーとしても個人としても、うれしくなりますね。