お菓子研究家・福田里香さんの「新しいバターの食べ方」付き!カルピスバターがプロに支持される理由。
1942年の販売開始以来、フレンチのトップシェフたちから絶賛され、その後、1981年からは「カルピス(株)特撰バター」として一般向けにも販売されるように。
カルピスの原料となる生乳は、自社工場がある群馬や岡山の、工場周辺の牧場から独自ルートで集める。その製造工程で生まれる乳脂肪分がバターになる。豊かな風味と稀少性で〈幻のバター〉との称号も。
日本の食材に合うのは日本のバターかも。
福田 色の白さも特徴ですよね。 野村 カルピスの工場は本州にしかなくて、北海道の牛は主に牧草を食べているのに対し、本州の牛は飼料なんですよね。すると出す乳の脂肪分も白くなるんですよ。 福田 その白さがミルクを連想させて、美味しく感じるのかな。しかも、あっさりしているから、日本の料理やお菓子作りにも合うというか。 野村 日本は、野菜の味とかも淡いんですよね。 福田 よく言われる。海外に行くと濃い……という言い方でいいのかはさておき、日本は土とか雨の多さで味が淡白になると。別に育て方が悪いとかではなくて、土地、風土の特徴ですよね。いまは牛乳もバターもブランド花盛りで、それぞれに持ち味や美味しさがあると思うんですが、カルピスバターは実はかなり日本的な味とも言える。海外に持っていくと驚かれるかも。 野村 うちのバターは素材の味を邪魔しない、と言ってくださる方がたくさんいて。バター味って強すぎるとくどく感じることがありますよね。日本はやはり素材をとても大事にする国だと思うので、そういう意味で確かに、カルピスバターはお互いを引き立て合う使い方に合っているのかな、と私も思います。 福田 きょうは、カルピスバターを使って、温度差をつけたアレンジでバターの新しい美味しさを提案できたらなと思っています。
温度で変わる味わいを楽しむ、新しいバターの食べ方4選。
冷凍の有塩バター
塊をピーラーで削って、フィナンシェにトッピング。お好みでスパイスも。口の中で溶けていくにつれて、バターの風味が鼻に抜ける。 フローズンバターのフィナンシェ 【材料(1人分)】 市販のフィナンシェ 1個 冷凍の有塩バター 適量 黒胡椒 適宜 カルダモンパウダー 適宜 【作り方】 器にのせたフィナンシェに冷凍した有塩バターをピーラーで削りかける。黒胡椒やカルダモンパウダーは好みで。