全国各地の名物駅弁が大集結 ラーメンやおにぎりとコラボ…新たなファン層獲得へ
東京・新宿の百貨店で、全国の駅弁が集まるイベントが開催されている。ただ、今、駅弁業界は苦戦を強いられているという。 【画像】秘伝のタレで煮込んだ「いかめし」 80年の歴史を誇る北海道・森駅自慢の駅弁
■駅弁を知ってもらう機会に
旅先でしか出会えない味、弁当箱からあふれ出る地域の魅力。そんな全国各地の駅弁が新宿に大集合。 京王百貨店で開催されている駅弁大会は、今回で60回目となる名物企画だ。 京王百貨店 横山和正さん 「ここで食べていただいた味というのをお客様に(現地に)足を運んでいただいて、実際、地元ではどうなんだろうっていうところ。(駅弁をきっかけに旅行に行く)つながりを持つことが自分たちが目指しているところです」 かつてのように車内で駅弁を食べる人は、鉄道の高速化による乗車時間の短縮や、東海道新幹線の車内販売廃止などにより、減少しているという。 ただ、この駅弁大会があることで、駅弁を知ってもらう機会は増えているという。
■「いかめし」の味守る社長
名物駅弁を目当てに、多くの客が集まり、2010年には会期中に7億円を売り上げた。 そんな駅弁大会でひときわ人気なのが北海道・森駅の「いかめし」だ。 名物のイカの中に米を詰めて秘伝のタレで煮込む、80年の歴史を誇る森駅自慢の駅弁。販売するのは 3代目社長の今井麻椰さん(33)だ。 今井さんは、インターネットなどで配信されているバスケットボール番組のリポーターも務める“二刀流”経営者だ。 いかめし阿部商店 今井さん 「(Q.継がれてどれくらい?)5年目ですね」 かつて「いかめし」は駅での販売が中心だった。ところが徐々に客足が遠のき、高齢の父の代で店を売る話も持ち上がったという。そこで娘の麻椰さんが3代目として店を継ぐ決心をした。 今井さん 「一人っ子なんですけど、いかめしが兄弟のような存在で。できる限り自分が一緒に並走しながら、いかめしと共にこれからも生きていきたいと思って継ぎました」 いかめしの魅力を伝えるために、今井さんはSNSに力を入れ、自分なりのやり方でファンを増やしている。 今井さん 「駅弁という日本の文化がまだまだ若い世代には浸透していないので、先頭に立って駅弁の良さを伝えていけたらと思っています」 全国で開催される駅弁イベントを飛び回るほか、いかめしを使った新商品を開発するなど、駅弁の魅力を知ってもらうため今井さんはきょうも奮闘している。