なぜ“8冠”アーモンドアイは夢対決実現のジャパンCでの引退を決めたのか?
JRA史上最多の芝G18勝馬アーモンドアイ(牝5・国枝)が29日に東京競馬場で行われるジャパンカップ(2400メートル芝、G1)に参戦し、これを最後に現役を引退することが12日、明らかになった。このレースには、コントレイル(牡3・矢作)、デアリングタクト(牝3・杉山晴)の牡牝無敗3冠馬も出走を表明しており、競馬ファンにとっては空前のドリームマッチが実現することになった。なぜアーモンドアイは、ジャパンカップを引退レースに決め、ここに最強馬3頭が集結することになったのか。
新型コロナの影響
歓喜と哀愁。競馬界に2つの衝撃が走った。1日の天皇賞・秋で「皇帝」シンボリルドルフでさえ成し遂げることのできなかった史上初の芝G1“8冠”を達成したアーモンドアイがジャパンカップへの出走と、これをラストランとすることを決断したのだ。 12日、管理する国枝栄調教師が、「今朝、アーモンドアイを見ました。馬の状態を確認して大丈夫なので予定通りジャパンカップへいきたいと思います。いい競馬ができると思います。このジャパンカップをもって競争生活を終えるということで決まりましたので全力を投球したいと思います」とツイッターにインタビュー動画を載せて発表した。 アーモンドアイは、天皇賞・秋の出走前から「秋は2戦」のプランを明らかにしていた。当初は、登録のあった香港カップも次走の候補に挙がっていたが、新型コロナの感染拡大の影響を受けての海外遠征のリスクを避けてジャパンカップ出走を決めたという。 アーモンドアイを所有する(有)シルクレーシングなどのクラブ法人での会員規約には、牝馬の引退は6歳3月と定められている。 ジャパンカップに続けて有馬記念に出て、昨年のリベンジを果たして欲しいという声もあるが、アーモンドアイは1走するごとにレース後、ふらふらになるほどの激走タイプ。早めに引退し、大物種牡馬との種付けに備えることは繁殖牝馬にとっては重要なミッションで無理はさせられない。来年には引退期限までにドバイ国際もあるが、新型コロナ禍を考慮すると、そこまで引っ張ることも難しい。