「フルコンタクト空手の熱闘宣言」インカレとカラテ甲子園が熱過ぎる
~「フルコンタクト空手をずっと好きでいたい」(神奈川大・本田志帆)
昨年のインカレ王者である本田は全国的に知られる強豪選手だ。「フルコンタクト空手を好きという気持ちを大事にして欲しい」と後輩たちへ伝える。 「インカレはフルコンタクト空手をやっている大学生なら誰でも参加可能です。大学4年間という出場期限が決まっているので、世代交代のサイクルが早い大会でもあります。学生時代の短期間に集中して勝利を目指す、挑戦しがいがある大会だと思っています」 「インカレに対しての準備や気持ちの入れ方は、他の大会とは変わらないと思います。でも、大学代表として出場できるのはやはり嬉しいです。神奈川大・本田という名前が記録には残り続けますから」 「フルコンタクト空手の知名度は今は低いかもしれないですが、やっていることは他競技と変わらないと思います。道場で練習を重ねて、大会があれば状態を整えるだけ。何よりも競技を好きでいられることが喜びになっているます」
~「インカレ日本一になったことで周囲の反応が激変」(愛知教育大・岡田葵)
大会前から注目を集めていたのが、3連覇を目指す女子1部軽量級(55kg未満) の愛知教育大・岡田葵。大学卒業後は教員の道へ進むことを公言して迎えたインカレだったが、見事に優勝を果たして有終の美を飾った。 「嬉しいのはもちろん、ほっとした気持ちも強いです。3連覇がかかっていたのもあるし、今日の試合を第一線での最後に決めていました。怖さもあったと思います。でも、多くの人から声をかけてもらいパワーを頂け、打ち勝つことができたと思います」 2022年にインカレが立ち上がってからの全大会で優勝を果たしている。子供の頃からフルコンタクト空手を続けてきた中、「インカレができたことは大きな転機になった」と語る。 「子供の頃から『フルコンタクト空手って何?』と言われてきました。私の中では存在が当たり前にある競技だったのでショックを感じたこともありました。『この状況は変わらないのかな…』と思ったこともありました」 「大学に入った当初は、『優勝した』と言っても周囲に理解してもらえない。クラスメートや先生からの反応も、『すごいね』くらいだった。インカレができて大学日本一になった時には周囲の反応が違ったので、本当に嬉しかったです」 小学校の教員試験に合格したことで、来春からは福井県で教壇に立つ生活が待っている。 「今後も何かの形では関わっていきたいです。フルコンタクト空手では打たれるので、痛いし怖い。大会ではプレッシャーもある。そういったことの積み重ねで学んだこと、頑張り抜いた力や礼儀礼節は今後に活かせるはず。子供たちにも少しでも伝えられたら良いですね」(岡田)