【フィギュア】“りくりゅう”三浦璃来、木原龍一組「総崩れすることなく」GPファイナル一番乗り
<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯>◇9日◇東京・代々木第一体育館◇ペアフリー 【写真】演技を終え、たたえ合う“りくりゅう”三浦璃来、木原龍一組 ペアはSP首位発進の「りくりゅう」こと三浦璃来(22)木原龍一(32)組(木下グループ)が2位に入り、GPファイナル(12月、フランス・グルノーブル)進出一番乗りを決めた。フリー137・55点の総合209・45点。「組んでから初めて」と珍しいスピンの抜けを悔やんだが、優勝した先月のGP初戦スケートアメリカのフリーから1・11点を上積み。「総崩れすることなくできたのはよかった」と笑い合った。 「たどりつけたのが、うれしい」。ペアとしての円熟味を増して、2季ぶりのGPファイナルへ向かう。23-24年シーズンは木原が腰椎分離症を発症し、前半戦を欠場。行く手には常に「ケガ」の2文字がついて回ったが、逆境を成長の糧としてきた。 3月の世界選手権、6分間練習のスロージャンプで三浦が左肩を亜脱臼。「どうすることもできない」状態だったが、木原が「大丈夫、外れない! 外れていたら今、動けていないから」と前向きに鼓舞。フリーで自己最高点を記録して銀メダルを獲得し、2人で苦難を乗り越えた。「ケガをして少しのことでは折れなくなった」と木原。三浦も「お互いによく話すようになって互いのコンディションをすごく理解するようになった」と実感を込める。 この日の30分間の公式練習では約11分間互いに手に手を取り合った。幾度の苦難をともに越えてきたからこそ「課題をクリアしていける」確信がある。「僕たちは元々絶対王者みたいな立場ではなかった。常に追いかけていく立場」。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪のプレシーズン。さらに絆を深めていく。【勝部晃多】 ◆GPシリーズ 95-96年シーズンに「チャンピオンシリーズ」の名で開始。98-99年シーズンに「グランプリシリーズ」に改称。ロシア、カナダ、中国、日本、フランス、米国などで開催されてきた。例年10月から11月にかけて6週連続で6大会が行われ、各選手(組)最大2大会への出場が可能。順位に応じたポイントの合計で、上位6人(組)が、12月に開催するGPファイナルに出場する。