昔の面影がなくなった大阪「黒門市場」…インバウンド価格で“儲け主義”に走った先に訪れる未来
物価高騰で節約志向が高まり、買いたいものがあるのに我慢を強いられる日本人を横目に、爆買いや爆食いをしてくれる訪日外国人観光客。買い物や食事だけでなく、日本文化を体験したいというコトへのニーズも高く、各施設での体験ツアーは活況を呈している。日本人の消費意欲が鈍化している中、補完的役割をしてくれており、この経済的な貢献はありがたいものだ。 ⇒【写真】大阪の黒門市場
インバウンド需要に救われる日本経済
2024年に入ってからも、訪日外客数はコロナ禍前を上回る勢いで推移している。 円安を背景に、訪日客1人当たりの消費単価も増加しており、訪日外国人観光客の消費額はコロナ前(2019年)の1.5倍超に拡大しているようだ。 回復が遅れていた中国人観光客の完全復調も時間の問題だ。政府はビザの免除・要件緩和など訪日旅行の容易化に向けた取り組みも進めており、インバウンド需要増加の後押しとなっているようだ。 2024年7月の訪日外国人数は329万2500人となり、前年同月比41.9%増、2019年同月比10.1%増となった。これは2か月連続で単月として過去最高を記録する勢いだ。また、7月までの累計では 2106万9900人となり、過去最速で2000万人を突破した。
旅行消費額は2兆1370億円にも
政府観光局によると、祭やイベントが多い7月が1年を通じて訪日客が最も多いらしい。現在(8月29日)は、対ドル144円と若干円高になっているが、それでも日本は安く高品質な商品・サービスが購入できるから外国人の購買意欲は強い状態のままだ。 観光庁によると、2024年4~6月期の訪日外国人旅行消費額は2兆1370億円(2023年同期比73.5%増、2019 年同期比68.6%増)と推計される。 国籍・地域別では、①中国4420億円(構成比20.7%)、②アメリカ2781億円(同13.0%)、③台湾2639億円(同12.4%)、④韓国2232億円(同10.4%)、⑤香港1743億円(同8.2%)の順である。街を歩いていてもアジア系の人が多いのはよく分かる。