和歌山南陵高、来春入学生募集へ 静岡県が措置命令解除
私立和歌山南陵高校(和歌山県日高川町)を運営する学校法人「南陵学園」(静岡県菊川市)が、経営難などを理由に同県から措置命令を受けて生徒の募集を停止している問題で、同県は経営改善計画書の作成などを確認できたとして命令を解除した。これを受けて同法人が3日、同校で記者会見し、来年度(来春入学)の生徒募集を始めることを明らかにした。また、検討するとしていた校名変更は行わないという。 【写真】記者会見する甲斐三樹彦理事長 措置命令解除は11月29日付。静岡県はその理由について、滞納金、借入金の精算や運営に必要な財産の確保、経営改善計画書の作成、役員や評議員の選任、必要書類の作成などが確認できたとしている。 同法人は今年4月に経営陣が一新され、経営コンサルティング会社経営の甲斐三樹彦氏が理事長に就任。新経営陣が資金集めなどに奔走し、経営改善計画書を提出したという。 記者会見で甲斐理事長は「問題が数々あったので時間がかかった。ようやく措置命令が解除されてほっとしている」とし、「これからも行政のご指導いただきながら、健全で安定した学校運営を行っていきたい」と述べた。 来年度の生徒募集については、定員を普通科120人とし、スポーツ、芸術に特化したコースなどを設ける予定。募集要項がまとまり次第、募集活動を本格化させるという。 甲斐理事長は「今からのスタートは時期的に厳しいが、野球やバスケットボールなどのやる気のある子をはじめ、こぼれ落ちた子の受け皿にもなって、何とか定員の半分は集めたい」と語った。 同法人は経営悪化で税金の滞納や教職員の給与未払いなどがあり、令和4年に教職員がストライキを起こすなどして問題が表面化。静岡県は同年、経営改善が確認されるまで生徒募集を停止することなどを盛り込んだ措置命令を出し、同法人は令和5、6両年度の同校の生徒募集を停止した。現在、在校生は3年生のみの18人。