3連勝突破の森保監督が4-0圧勝の仏戦でメダル獲得へ向けて打った布石とは?…4強かけて戦う相手はNZ
危なげない試合運びからは、頼もしさすら伝わってきた。U-24日本代表が大量4ゴールを奪ってU-24フランス代表に快勝し、決勝トーナメント進出を決めた。 東京五輪6日目の28日に行われた男子サッカーのグループリーグ最終戦。無観客の横浜国際総合競技場でフランスと対戦した日本は、前半27分のMF久保建英(レアル・マドリード)の先制ゴールを皮切りにDF酒井宏樹(浦和レッズ)、MF三好康児(ロイヤル・アントワープ)、FW前田大然(横浜F・マリノス)が次々と共演する。 守ってはキャプテンの吉田麻也(サンプドリア)、左足首の故障から復帰した冨安健洋(ボローニャ)のセンターバックコンビを中心にフランスを零封。参加国中で唯一の3連勝でグループAを首位で通過し、県立カシマサッカースタジアムで31日に行われる準々決勝で、グループBを2位で通過したU-24ニュージーランド代表と対戦する。
エース久保が歴史的な3戦連発
五輪における日本サッカー界の歴史に、またもや新たな1ページを刻み込んだ久保の左足が、破竹の3連勝でグループリーグ突破を決める呼び水になった。 両チームともに無得点で迎えた前半27分だった。ボランチの田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)の縦パスを呼び込んだ久保は、左前方にポジションを取っていたFW上田綺世(鹿島アントラーズ)へ、振り向きざまにスルーパスを通した。 「パスがちょっと短くなってしまったんですけど、それでも上田選手ならばシュートを打つかなと。なので、自分はしっかりとこぼれ球に詰めようと思っていました」 体勢をやや崩しながら久保のパスを収めた上田は、ゴールから遠ざかる軌道を描きながらペナルティーエリア内へ侵入。久保が思い描いた通りに、右45度の角度から右足を振り抜き、対角線上となるファーサイドへ強烈な一撃を放った。 フランスのキーパーが必死にセーブしたが、こぼれ球はゴール正面に弾んでしまう。旗手怜央(川崎フロンターレ)が相手選手と競り合いながら詰めるも、ともにボールに触れない。その背後へ走り込んできた久保が、利き足の左足を一閃した。 グループリーグですべて日本を先制させる3試合連続ゴール。1964年東京大会のFW杉山隆一、2012年ロンドン大会のFW大津祐樹、前回リオデジャネイロ大会のFW浅野拓磨が持っていた、日本の五輪記録だった2試合連続ゴールが更新された。 U-24南アフリカ代表との初戦で日本の五輪史上で最年少となる20歳1ヵ月18日で、U-24メキシコ代表との第2戦では同じく最速となる前半6分にそれぞれゴールを決めた。三度歴史を塗り替えた久保は、チーム全員が機能したゴールだと強調している。 「旗手選手が前で潰れてくれたので、自分は落ち着いて決めるだけでした。いろいろな選手と話をして、自分やみんなの動きを把握し合ってきたなかで連携や連動が生まれた結果として、最後にたまたま自分の前にボールがこぼれてきた感じですけど、そこはチームとして非常にいい形になっていると思います」