3連勝突破の森保監督が4-0圧勝の仏戦でメダル獲得へ向けて打った布石とは?…4強かけて戦う相手はNZ
前半34分に酒井が決めた追加点にも久保は絡んでいる。自陣の右タッチラインで酒井が奪ったボールが、ボランチの遠藤航(シュツットガルト)を介して久保に渡る。前を向いた「7番」は旗手とのパス交換から、再び上田へスルーパスを通す。 上田が左足で放った強烈なシュートはキーパーにセーブされたが、ボールを奪った後に猛然と攻め上がってきた酒井が真っ先に反応。ペナルティーエリア内へトップスピードで侵入し、宙高く舞ったこぼれ球の落ち際に右足をヒットさせた。 引き分けでもグループAの首位通過が決まる日本に対して、フランスがグループステージを突破するためには2点差で日本を破らなければいけない。圧倒的に優位に立った日本は後半開始とともに、決勝トーナメント以降の戦いをもにらみ始めた。 まずは2戦連続で先発フル出場してきた久保に代えて三好を、後半10分には酒井に代えてDF橋岡大樹(シントトロイデン)を投入した。前半終了間際にイエローカードをもらった酒井が、累積警告でニュージーランドとの準々決勝で出場停止になる。代わりに右サイドバックに入ると予想される橋岡を、大会に慣れさせる上で初出場させた。 三好が3点目を決めた直後の後半27分には遠藤に代えて板倉滉(フローニンゲン)を、MF堂安律(PSVアイントホーフェン)に代えてMF相馬勇紀(名古屋グランパス)をそれぞれ投入する。3試合連続で先発した遠藤と堂安は、ともに初戦でイエローカードをもらっていた。疲労の蓄積だけでなく、次戦での出場停止回避が考慮された交代だった。 森保一監督は後半35分に、今大会で初めて「5」ある交代枠をすべて使った。2戦目でイエローカードをもらっている田中を前田に代えた。遠藤と田中で固定してきたボランチを休ませられたのも、複数のポジションでプレーできる選手がいるからだ。 遠藤に代わってボランチに入った板倉はディフェンダー登録で、今大会はセンターバックとして初戦から続けて先発。欠場した冨安の穴を補ってあまりある存在感を示してきたなかで、事前キャンプ中にはボランチとの「二刀流」へこんな言葉も残していた。 「センターバックからボランチに代わるときは、頭の切り替えが重要になってくる。どのポジションでプレーしてもベストのプレーをしなければいけないのが代表だし、自分としてはどちらのポジションで出てもチームを助けられる自信がある」 田中に代わってボランチを務めたのは、左サイドバックで先発していた中山雄太(ズヴォレ)だった。センターバックを含めて3つのポジションでプレーできるレフティーは、ほとんど経験のなかった左サイドバックをポジティブに受け止めていた。