“算数・数学力”を高めてくれたプログラミング

何はともあれそれだけ算数が好きで、先へ先へと自分で勉強を進めていた鶴崎さん。当然、算数のテストはいつも100点だったのかと思いきや……。 「点数はかなり良かったんですけど、計算ミスとかケアレスミスが多かったので、100点を取るのはたまに、くらいでした。ケアレスミスって結局、人間の避けられないエラーと言いますか。算数力や数学力というより、人間的な側面があるので、気を付けようとしても限界があると思うんですよね。よく確認しよう、とは思うんですけど、根底ではまあ無理だよね、という思いがどこかにありました」 小学生の頃は、テスト対策というものもとくにしたことはなかったという。 「鳥取県出身で、受験戦争みたいなものはなかったので、点数を競うという感覚がとくになかったんですよね。中学になると一応順位が出るので、1位を目指そう、みたいなところはありました。まあでも、半分遊びですよね。定期テストは全部1位だったんですけど、一回だけ2位になったんです。それがすごい印象に残っていて。だからこの人に勝つぞ、というライバル意識を楽しんでいた感じです。ちなみにそのライバルだった子は、のちに文系で同じく東大に行きました」 熾烈な受験戦争に巻き込まれなかったこともあってか、学校以外の時間では、テストの点数を上げるためではなく、純粋に“算数・数学力”が強化されるような遊び方をしていたようだ。 「中学に入るとプログラミングみたいなことを始めまして。それはテストの点を上げることに役立つわけではないですけど、まさに“数学”を使う遊びなんです。僕はゲームプログラミングから入ったんですけど、たとえばキャラクターが何かを攻撃したときの攻撃波を円形に描くとしたら、それには三角関数が必要になるんです。そういう感じでプログラミングはいくらでも数学の入る余地があったので、算数・数学力を高めるうえではけっこう役に立つ遊びだったんじゃないかと思っています」